整体院の先生からA型看板、ブラックボードになにを書けばいいですか?と質問をいただきました。ありがとうございます。質問内容の要約は以下です。
USPがわからんから、そのかわりになるものを教えて。ということだと思うのですが、もうちょっと前段階から考えていきたいと思います。なぜなら、A型看板にはこういったことを書け。といった決まり決まった明確な定義は僕にはありません。もっとも大事なことは、そのA型看板やブラックボードでなにがしたいのか?という部分だからです。
このなにがしたいのか?が違えば、なにを書くべきかも当然違ってきます。
A型看板(ブラックボード)は欲張りすぎない
立地などの状況によっても変わってきますが、このなにがしたいのか?を考えずに欲張りすぎるとなかなか思うような成果につながりません。
例えば、
偶然通りかかった場所で治療院のA型看板を見つけた
↓
こんなところに治療院があったんだ!とまずその存在を認知してもらえた
↓
骨盤矯正もやっているんだ。腰痛や生理痛にも効果あるのね。
↓
こんな先生が施術してくれるのか。なんか信頼できそうだわ
↓
腰痛ってほっとくとスタイルも悪くなるのね。ダイエットにも効果があるんだ
↓
へぇー、今なら新規は1000円引きか。今すぐ施術できるみたいだし、着替えもあるんだ
↓
よし、じゃあちょっと受けてみようかな。
と、これを全部A型看板ですべて狙いにいくと、ごちゃごちゃしすぎてダメなんですね。これはA型看板でもブラックボードでも、はたまたタペストリーやのぼりで電飾看板でも同じ。そもそもそれらにそこまでの情報を詰め込むだけの物理的スペースがないからです。
いや、あるにはあるんですが、それらに雑誌に書いてあるような小さい文字でつらつらとあなたの院のことを書き連ねても、普通は読んではくれません。
だからいっきに全部の階段を上らせようとしてもうまくいかないのです。なので、基本的にはある程度目的を絞って、そこだけを狙いに行くことに専念したほうが良いのです。
院前看板の基本は認知
ブラックボードなどの院前看板での集客に限ったことではないでのすが、新規集客において最初にぶち当たる壁は認知です。
つまりあなたの治療院の存在を知らないから来院しないということ。
んなわけあるかい! と、あなたは思うかもしれませんが、ホントにホント。認知の壁さえ超えてしまえば集客は意外と楽。認知はそれだけ重要で、かつむちゃくちゃ難しい壁なのです。
たとえば治療院あるあるだと思うのですが、何年も営業しているにもかかわらず「この接骨院できたの最近?」なんて質問を受けたことがる先生もかなり多いはず。見込み患者さんってのは、あなたの治療院のことなんか見てないのです。
だからまずは存在を気づいてもらうために、A型看板なり、ブラックボードなりを使うのが効果的なわけです。なので、USPうんぬんはあとでいいので、とにかく気づいてもらうためにはどうすればいいのか?を考えてください。
ここさえ達成できれば、院前看板の役割は果たせたと思っていいのです。
認知してもらうためには?
では認知してもらうためにはどうすればいいのかというと、もっとも大事なことは目立つこと。そして、ちゃんとなにが書いてあるかが一瞬で理解できること。こう書いてしまうと当たり前のことなんですが、けっこう見落としがちなポイントです。
例えば、歩いている人、自転車に乗っている人、車に乗っている人、それぞれ認識できる看板は違います。文字の大きさも、看板の角度も位置もおそらく違ってくるでしょう。
だからそれに合わせて、誰に見せたい看板かを考え、それぞれそれらを工夫する必要があるんですね。
また、パッと見て理解できるようにするのは、人は自分に関係ないことはたとえ視界に入ったとしても、それはなんら意味を持たない景色と認識する可能性が高いからです。
そもそも院前看板というのは、立ち止まってじくり読んでくれるという前提にない集客ツールなのです。気になってもらえれば、立ち止まってじっくり読んでくれることもありますが、普通はそんなことはしないのでそれは景色と同じ。
よく、毎日同じ場所に、同じ角度で同じ内容のブラックボードなどを設置する院があります。スペースなどの物理的な問題もあるかと思いますが、これは景色になってしまう典型的な例です。
景色にならないために変化をつけるという意味では、ブラックボードなどは内容もデザインも設置場所も変えることが比較的容易なので、その特性を存分に生かしてしてできるだけ変化をつけていってくださいな。
ただ、特性としてあまり大きなものではありませんので、車に乗っている人に向けての効果はおそらく低いものになります。なので、できるだけ歩行者向けの看板にしたほうがいいです。
※状況によります
A型看板にUSPはいらない
冒頭のUSPの話に戻りますが、ここまで読めば、A型看板にUSPが必ずしも必要かどうかがわかると思います。順番としては
A型看板でなにがしたいのか?
⇒ 整体院があることを知ってもらいチラシをとってもらう
誰に認知してもらいたいのか?
⇒ 院の前を歩いている買い物帰りの主婦
こういった「誰に」「どんな行動」をとってもらいたいかをしっかり考える。そしてそれを達成するにはなにを書けばいいのかを考えてください。最後は自分で考えるしかありません。
幸い、ブラックボードなどは備え付けの看板と違って、変更が自分で容易にできます。つまり、いくらでもテストができるということ。何回もテストしていきゃあ、なんなりと見つかるはずです。ようはあきらめなければいいだけ。まぁ、それがむずかしいんですが・・・
何度失敗しても、成功するまで続ければ、失敗はすべて成功への過程の「いい経験」になるのでしょう。 松下幸之助
だそうです。頑張りましょう。
ほかにも新規集客について知りたい先生は、こちらへ
⇒ もう集客で悩まない! 治療院の新規集客方法11選
追伸:USPってなによ? そもそも必要?
最後になって申し訳ないでのすが「USPってなによ?」というあなたへ追伸です。
USPはUnique Selling Propositionの略です。うん。なんのこっちゃわかりませんよね。簡単にいうと「あなたの院独自の強み」です。アメリカのロッサー・リーブスというオジサンがずいぶん前に提唱した考え方です。
マーケティングを少しでも学んだことがある人ならこの単語を知らない人はいません。だからコンサルタントと名がつく人の口からよく出てくるんですね。「他の治療院との違いUSPが大事です!」「他と圧倒的に違う独自のウリUSPを見つけてください」とかなんとか言って。
確かにUSPは大事です。それがあれば治療院の集客にも経営にも良い影響を与えてくれるでしょう。
でも、ですよ。そんなに簡単に圧倒的に違う独自の強みなんて作れます? まず無理ですよ。だからUSPなんて実はいらないんです。あればいいけど、別になくても治療院を繁盛させることは全然可能だからです。
治療院の経営に必要なのは、まずはどんな院なのかをちゃんと明確にすることです。そこにUSPがあればなおいいけど、なくたって全然かまわない。どんな治療院で誰にぴったりで、そこに行けばどうなれるかがわかればそれでいい。
だからもしあなたが「USPがないから悩んでいる」というなら心配は無用です。上記を明確にしていけば「あなたの治療が受けたい!」という患者さんが自然と集まるようになっていきます。
っちゅうことで頑張っていきましょう!