無断キャンセルや遅刻を減らす方法

予約制をとっている治療院で無断キャンセルやドタキャンをされることほど困ることはありません。また、そんなときに限って予約がいっぱいで断っている患者さんがいたりする。「このキャンセルのところに他の患者さん入れられたやん!」とめちゃくちゃ腹立ちますよね。

今日の記事はそんなキャンセルを減らす方法を伝えします。

ちょうど先日予約制を取っている整骨院の先生とZOOMセッションをしました。そのときに予約キャンセルの扱いについての話題が出たので、それを例に書いていきます。

ドタキャンする患者の対応


自費治療がメインの整骨院(予約優先制)を経営されている先生の院でこんな出来事があったそうです。

いつもご夫婦で予約をして来院される方がおられるそうなんですが、この方たちが、たびたびドタキャンをされるとのこと。予約10分前に突然二枠の空きができる。これがどれほど迷惑でストレスのたまることかは、予約制の治療院をされている先生ならば容易に理解できると思います。

で、この先生は、ついに我慢ならなくなって、そういうことをしないように告げたそうです。もちろん、自分本位ではなく、その行為が他に施術を受けたいと思った患者さんの機会を奪うことになってしまっていることを告げて、今後しないように告げた。

実際、この先生のところでは、そのキャンセル前に予約がいっぱいで2名の患者さんを断っていたという経緯がありました。

で、その夫婦でよく来ていた患者さんはそれ以来、来なくなったそうです。

この先生は、その対応が間違っていたとは思っていないようです。後悔しているというわけでもないみたい。僕もこの対応で問題ないと思っています。

ただ今後はそこにいたるまでになんとかすべき問題ではあります。この先生には時間の関係上、そこまでお伝えできなかったので、ここで解説します。

なぜ事前に伝えておくべきなのか


キャンセルについての対応、特にドタキャンについての対応は事前にしっかりルールを設定し、それを患者さんに伝えてきましょうなぜそれを事前にしておくべきかを、今回のケースを例に説明します。

あなたが予約をする立場だった場合を想定して考えてみてください。

  1. 予約した時点で、キャンセルについての注意事項を伝えられていた場合
  2. 予約した時点では、キャンセルについての注意事項がなにも伝えられていなかった場合

1番だった場合、おそらく多くの患者さんが、その注意事項に意識をしてもらえるはずです。

たとえば、キャンセルの場合は前日までに連絡してください。と、ルールを伝えていれば、ちゃんと前日に連絡をした。ということも考えれます。また、無理してでも予約どおりに来院したかもしれません。

人って言われればちゃんとそのとおりに行動する確率があがるんですね

でも2番の場合だと、言われてないしキャンセルしても問題ないでしょ。と、勝手に判断する患者さんも出てきてしまいます。で、悪気もなくドタキャンする。

キャンセルの場合は事前に連絡するのが当たりまえだろうが! なんてのは、こっち側の考えであって、向う側ではたいした問題だとは思っていないことも残念ながら多いのです。

ようは、ちゃんと事前に伝えてさえいれば、ドタキャンの可能性を軽減できた可能性があるわけです。でも伝えていないから、勝手に判断される。そして次回も平気な顔して予約を入れる。

つまりドタキャンの一つの要因はただ単に、事前に伝えていなかったという理由がけっこうあるんです

また、何回かドタキャンをしたのちに、それを注意された患者さんのとらえ方はどんなふうに想像できるでしょうか?

  1. 私が悪いんだから仕方ない。これからは気をつけよう
  2. だったら最初から言っておいてよ。わからへんやん!もう二度と行くか!
  3. 今後は通院は気まずいからやめておこう

こんな反応が予想されます。1番以外は来院しないし、場合によってはマイナスの口コミにつながる可能性もあります。普通に考えて誰も得しないですよね。

だから最初の段階でキャンセルポリシーをちゃんと伝えておくべきなんです。

キャンセルポリシーを作成する


まず初めにキャンセルポリシーを作成してください。これを最初に作っておくことが重要です

その場その場で曖昧な対応していくと、人や日によって基準が変わってしまうことがあります。これだと一貫性のある誠実な対応ができないからです。

内容に決まりはありません。あなたが思う、あなたの基準で作成してください。

よく「キャンセル料は取ったほうがいいですか?」といった質問をいただきますが、取りたいなら取ればいいし、そこまでしたくないなら取らなければいいだけです。これに正解はありません。

当院では以下のようにキャンセルポリシーを設けています。

▼予約のキャンセルは前日の午前11時まで
▼前日午前11時以降のキャンセルは全額キャンセル料が発生します
▼キャンセルされる場合は必ずお電話にてご連絡ください
▼ご連絡のないキャンセルは以後の施術をお断りする場合があります
▼遅刻される場合も必ずご連絡ください
▼15分以上の遅刻はキャンセル扱いとなります。払い戻しもいたしません。

当院は待ち時間なく施術を受けてもらうために予約制になっています。施術枠には限りがあり、予約が取れない方もおられます。
無断キャンセルなどをされると他の方の施術機会を奪うことにもつながりますので、ご協力よろしくお願いします。

※やむをえない事情でのキャンセルや遅刻と当院が判断した場合は柔軟に対応させていただきます。キャンセル料も発生しません。

上記はひとつの事例です。この通りにしなくてはダメというわけではありません。もっと厳しくしてもいいし、もっと優しくしてもどちらでもOK。あなたの考えに沿って決めていってください。

なにをどのタイミングで伝えるとキャンセル防止になるか


キャンセルについて患者さんに伝えるタイミングは

  • ホームページなどに記載し予約前に告知
  • 予約時に確認
  • 院内掲示で告知
  • 初回施術後に告知

などがあります。すべてを実施すべきというわけではありません。あなたの考え院のコンセプトに合わせて組み合わせていってください。

ホームページにキャンセルポリシーを記載

もっとも早く伝えるとすれば、それは新規集客の段階であるホームページに掲載します。

目立つように掲載するのか、目立たないように掲載するのかの違いはありますが、集客段階でのメリットは最初から認識している患者さんが予約を取ってくれるので、必然的にキャンセルポリシーへの理解もある状態となります。

ただし「なんか厳しそうな治療院だしやめておこう」という力が働き、集客数にマイナスの影響を与える可能性もあるので、そこはあらかじめ認識したうえでの施策になります。

僕が今治療院を経営しているなら、ホームページに記載はしておきます。ただしそこまで目立たせはしないかな。

予約時にキャンセルについて確認

キャンセルは初回来院時に多い傾向にありますので、予約時の確認はしておきたいところです。電話予約であればそのまま口頭で伝えましょう。タイミングは最後がおすすめ。つまり予約を取り電話を切る前です。

ここで意識したいのが「理由を伝える」と「患者の口から了解を得る」です

ただキャンセルはダメと伝えるのではなく「〇〇だからキャンセルしないで」と理由をつけることでそれに従ってくれる確率は高くなります。多くの先生が使っている理由が、先のキャンセルポリシー事例でも書かれているような「他の患者さんのため」です。

理由はなんでもいいんで、とにかくつけてください。

また、患者さんの口から了承を得るというのは、同意の言葉を引き出すという意味です。

キャンセルしないでくださいねー。と、治療院側(あなた)が一方的に言っても平気でキャンセルする人がいます。でも、キャンセルしないでね?わかった?と問いかけ、患者さんから「はい。わかりました」を引き出すことができれば、なかなかキャンセルってできないものなんですね。ちなみにこれは一貫性の法則(原理)という心理テクニックを利用しています。

もちろん問いかけ方はもっと丁寧にやってください。言い方はあなた自身で考えてくださいな。

電話以外のメールやLINEでの予約の場合は、予約確定後の自動返信メールや、前日などに送付する予約確認リマインドメールなどでキャンセルポリシーを送付するのがいいです。

院内掲示で告知

院内に掲示しておくのも有効です。口頭などで個別に伝えることと比べると効果は弱いですが、キャンセルについての啓蒙や認知には少しなります。

口頭で言うのがどうも気がひけるという先生、口頭だけではなくさらに徹底させたいといった先生は院内掲示もするといいです。

初回施術後に告知

初回の施術後のタイミングで伝える意味は、これから付き合っていくための約束事のような意味合いがあります。

悪い意味でなれてくると「常連だしこれぐらい許してくれるだろう」と、遅刻やドタキャンなどをする患者さんは発生します。いったんそうなってからはなかなか注意できません。冒頭で紹介した接骨院のようにしばらく経ってから注意すると、雰囲気が悪くなって来なくなってしまうことだってあります。

だから最初が肝心なんですね

これは口頭でもいいですし、紙の資料にしてもいいし、LINEなどで送付してもOK。

以上4つがキャンセルポリシーを伝えるタイミングと方法です。さきほど書いたように、どれを採用するのかはあなた自身が決めることです。あまりにしつこく念を押されると鬱陶しいと感じる患者さんも出てくると予想されます。僕が逆の立場ならたぶん鬱陶しくなるかも(性格悪いですね・・・)

伝えることのデメリット


ホームページに記載するときの説明でも書きましたが、事前に伝えることによるデメリットも存在します

これはなにかというと、キャンセルについて伝えたがために予約そのものを躊躇する患者さんが出てくる可能性があるということ。計測が難しいですが、存在することは確かでしょう。

キャンセルについて事前に注意されてるにもかかわらず、事情でやむおえなくキャンセルになったらどうしよう・・・なんか怖いし予約は入れないでおこう。

そんなにキャンセルにこだわるなんて、いろいろと厳しい治療院なのかな?ちょっと私には合わない気がするし、もう行くのをやめよう。なんて余計なことを考えてしまって、リピートに響くことが考えらえるわけです。

最終的にどう伝えていくかは、メリットとデメリットをあなたがどう判断するかです。僕は基本的には伝えることのメリットのほうをおすすめします。つまり事前にキャンセルしないでねと伝える。

結局は伝えてさえいれば、それに従ってくれる患者さんが多いからです。ちゃんと伝えていないから好き勝手するんですね

キャンセル料を徴収するのかどうかとか、キャンセルは何日前までなんてのは明確な基準は持っていませんが、伝えることはほぼ間違いなくいい方向に働くと僕は考えます。

また、事前に伝えることはキャンセルについてだけではありません。基本的に治療院では先に伝えておくほうがプラスに働くことが多いです

都合悪そうだし、言いにくいし、うやむやにしておこう。がもっとも悪い対処法だといえます。なんでも先にきっちりと線引きしておくことを、強くおすすめいたします。

今回の記事をキャンセルや遅刻のない治療院作りの参考にしていってくださいね。

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