「治療院経営はリピートが大事 !」と、僕は常日頃からこれでもかっ! ってなぐらいクライアントに伝えています。既存顧客にいかに多くお金を使ってもらうかが商売の基本だからです。で、この手の話をすると必ず出てくるのが
- リピートするのは治せていないから
- ウチは1回で治るからリピートしない
- 1回で治すとリピートしないから治さない
- リピートさせる? 治療家として恥ずかしくないのか!
ってなご意見や苦言。さて、あなたはこれについてどう思いますか?
っちゅうことでこの記事は、治療院のリピートの考え方について好き勝手に書いてやります。先に言うときますが、結論もオチもありません。ダラダラと自己主張ですのであしからず。
1回で治るは勘違い
「リピートするのは治せていないから」この意見、僕は確かにそうだと思います。
たとえばどんな病気や症状でも一発で完全に治せる。そして副作用もなければ再発も絶対にない。という治療をしていれば、そりゃもう来る必要なんかないですよね。なにしに来んねん! って話になります。
つまり究極を言えば「リピートするのは治せていないから」ということになる。
んが、ここでの問題は本当に治っているのか? ということです。冒頭でも書いた「ウチは1回で治るからリピートしない」という先生の大半は、単なる勘違いだと僕は思っています。面と向かって言って過去に激怒された経験があるので、今は直接言うことはしなくなりましたが・・・
でも激怒されようが、考え方は変わりません。たぶん勘違いされている先生が多い。
ドヤ顔で「治ったでしょ」的な態度を取られても・・・
では「俺は1回で治しているぜ!」の治療院でどんな出来事が起こっているのかというと
- ここに来ても治らないと患者さんに見限られた
- 説明がなく次の来院日を患者さんがわかっていない
- その場の痛みが取れればそれで治ったという定義にしている
などが代表的なものです。
よーく自分に置き換えて考えてみてください。
さて、あなたはこの治療院に再び予約を入れますか? 入れませんか? 僕なら確実に見限ります。ややこしいんで、その場では「良くなりました」と言うかもしれません。なんせドヤ顔先生がそこに誇らしげに立っているわけですから。でも内心は「あーここはダメだわって」なる。んで、さっさと他の院を探す。
実際に僕はこの仕事についた当初、偵察のために接骨院、鍼灸院、整体院とさまざまな治療院に自分のお金で治療を受けにいきました。しっかり数えていないけども100院近くは行っていると思います。その経験から上記のような先生がやっぱり存在することを知っています。
「ウチの院は1回で治るから儲からない」と愚痴をこぼす治療院はほぼこれだと僕は思っています。
「1回で治す必要はない」と考え方を変える
ではどうすればいいのかというと、まずは自分の力量を知ることが大事。
自分の力量を知るというのは難しいかもしれませんが、今一度冷静になって考えてみましょう。本当になんでもかんでもすぐに治ってしまうのであれば、あなたの治療院には行列ができます。そうなっていない時点でそこまでの神がかり的な腕はない。(行列ができているから、予約を取るのが困難だから腕がいいという意味でもありません)
それができたら次は今までの自分自身の考え方を書き換えてみましょう。つまり「なんでもかんでも1回で治す必要はない」という考えに変えるのです。
仮にその書き換えに時間が掛かったとしても、この考え方に到達できればかなり前進。次回以降の治療計画を立てるという新たな概念が生まれるからです。
「1回で治さないといけない」という謎の固定観念を持っていれば、初回で結果がでなければ施術失敗ということになります。でもこれがこ治療計画という概念を持った瞬間に、「初回の成果なんぞどうだっていい」ということに見事に変えることができるのです。
あなたはなにを提供する治療家か?
自分の役割を見直すというのも大切です。たとえばぎっくり腰の患者さんが来院されたとします。ここであなたの役割はどういったものだと定義していますか?
- 歩いて帰れるようにする
- 歩いて帰れるようにして、痛みもゼロにする
- 歩いて帰れるようにして、痛みもゼロにして、再発しない体にする
どこが正解だとか不正解だとかはありません。あなたが自分の役割をどう定義するかです。
ぎっくり腰など急性の痛みについては、「1回の施術で大幅に緩和させてあげることができる」という治療家は多いです。これは特に驚くことでもないんで、そういう人が多くいて当然です。ようは、そこで止まってしまうか、その先を提供する治療家になるかの違い。何度も書きますがどっちが正解とかではありません。
どこまでいっても治療家のエゴ
「根本的に治して再発防止までするのが治療家の義務」という考えが正しい。そう考えない人は治療家失格だという先生もいますが、僕はそう思わない。結局どこまでいってもそんなのは治療家のエゴでしかないからです。
治療家側に自分の考え方の定義づけがあるように、患者さん側にだって考え方や価値観をそれぞれ持っています。たとえばさきほど例にあげたぎっくり腰でもそう。
ってな患者さんだっているのです。そんな患者にとっては再発防止のための通院なんぞ時間とお金のムダ遣いでしかない。だから考え方や定義づけに正解はないのです。さっきも書いたようにどこまでいってもエゴですから。
答えなんてないシンプルに現実を受け入れるだけ
答えはどこにもない。なにをやっても治療家のエゴになる。じゃあどうすればいいのか? これに対する僕の答えは「自院の考え方を明確にしてそれに合った患者さんを集める」です。
その場の痛みを取っておしまい。という治療院を作りたいなら、それに価値を感じる患者に来てもらえばいい。痛みや不調を改善して再発まで防止する治療がしたいなら、それを得たいと思う患者さんに来てもらえばいい。
どんな治療院を作るにしても、自院のコンセプトや考えをしっかり定義してそれをキチンとわかるようにアナウンスすればいいのです。それしか正解はないと僕は考えています。
中田先生なら3回の施術で治せる。加藤先生なら同じ症状でも10回掛かる。こういったケースも必ず出てくるでしょう。技術レベルはそれぞれ違っているんだから当然っちゃあ当然。
でもそれでええやんけっちゅう話なんですね。それをちゃんと丁寧に説明して、あとはそれに納得した患者さんに来てもらえばいいだけ。そこに正解も不正解もない。ただ現実があるだけ。
そうすると技術が劣る加藤先生のほうが儲かるかもしれない。おそらくそんな事態も起こりうるでしょう。普通に考えればオカシイ現象なんですが、これもまた現実なんでそれは受け入れるしかない。
ごちゃごちゃと言い訳を並べたり、キレイ事だけを吐く人よりも、ありのままを説明し自分のできることを真摯に実践する。僕はそういう人に惹かれますなぁ。
うん。最後は僕の日記みたくなりました。ま、いいか。オチのない記事で申し訳ない。最後まで読んでくださってありがとうございます。
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追記
最近この記事に関して立て続けに2件のお叱りメールをいただきました。内容はともに「ドヤ顔先生をバカにするな」的なもの。いや、誰やねんドヤ顔先生て・・・
気になって調べましたところ、インスタやTikTokに投稿されている通称「ドヤ顔先生」ってな人がいはりました。
確かに文中にドヤ顔先生という単語は書いていますが、この先生を揶揄したくて書いたわけではないです。そもそもこの記事を最初に書いたのがたぶん2016年頃です。んで、新しくドメイン取ってこちらのサイトでリライトしたのが2020年。たぶんこの記事のほうが先だと思うんですよ。
僕の実体験でそういった先生を見たというのは事実ですが、この記事は特定のどなたかを揶揄するものでも批判するものでもありません。