治療院のサンキューレターは効果があるので、リピートに問題がある院は絶対にやるべき施策です。特にそれなりの単価をとっている自費接骨院・整体院・鍼灸院は必須といってもいいぐらい。
適切なサンキューレターを送ることであなたの治療院のリピート継続率はあがります。患者さんとの関係性も構築できるし、売上げも必ず伸びる。
それなのに多くの院で取り組んでいなかったり、間違ったやりかたをしていたりして、せっかくの労力をムダにしています。この記事を最後まで読んで是非正しいやり方を実践してください。
治療院のサンキューレターで絶対にやってはいけないこと
治療院のサンキューレターで絶対にやってはいけないこと、それは「来院ありがとうございます!またいつでも来てください」ってな謝意だけを述べることです。たまにハガキ一面にでっかく「感謝」とだけ書いて送る先生もいますが、あんなのはほとんど意味ありません。
意味がないどころか、悩みの深い患者さんにとっては不調になることを歓迎してるのか?と不快になる方もいます。治療院に来られる方は体調が悪い人です。体調が悪いとどうしても考え方も悲観的になりますから、そういったうがった捉え方をする人が必ず出てきます。
だから「来院ありがとう」だけを書いて送るなんてのは今すぐやめましょう。
何に対してのサンキューかを意識する
もちろん「ありがとう」という言葉自体がダメというわけではないです。何に対しての謝意なのかを意識して最初の挨拶として使うのはまったく問題ありません。それだけで終わってしまう文字通りのサンキューレターではダメなんですね。
こんな感じに、痛みがある大変な状態で来院してくれたこと、説明を真剣に聞いてくれたことに対しての謝意であれば、気を悪くする方はかなり少なくなります。こういったように何に対しての「ありがとう」なのかは意識して使ってください。
治療院のサンキューレターに書くべきこと
ではサンキューレターにはなにを書けばいいのかというと、これに明確な決まりはありません。決まりはないといっても必ず考えてほしいのは目的は何か?ということです。
目的は一番大きなものはリピートの継続、すなわち患者さんが諦めずに改善するまで通院を続けてくれることにあります。それ以外もあるかもしれませんが、ややこしいのでそれが目的とします。
書く内容をより具体的にするために、そのリピートの継続を達成させるためにはなにをすればいいかを考えます。すると代表的なものが以下
- 関係性構築
- 決意を鈍らせない
- 伝達不足、理解不足を補う
- 今後の流れや予定の理解
- バイヤーズリモース防止
どれが一番重要かどうかはあなたの状況やコンセプトによりますがこの5つを意識するといいです。
関係性構築
治療院で売っているモノは主に不調や痛みを改善させる「施術」です。だから施術技術が高ければ患者満足度もあがりピート通院も継続してもらえると考えがち。
これは間違いではないんが、さすがにそれだけは決まりません。特に治療は直接人の体に触れて行うし、会話する場面も多い。だから「誰が施術するのか」もめちゃくちゃ重要なんです。
あなたの治療院に初めて来るとき患者さんは不安です。どんな先生かな、どんな施術をされるのかなと。その不安をしっかり説明により潰していくことで、それが安心に変わると患者さんは来院の決意をしてくれます。
来院後は安心のままでは通院し続けてもらうには足らなくて、この先生はちゃんと自分の体を診てくれるという、信頼やより深い人間関係が必要になってきます。
この信頼や関係性の構築をサンキューレターで行うんですね。
もっとも簡単なのは丁寧な対応です。丁寧なサンキューレターを送ることで「私のためにここまでやってくれるんだ!」と感じてもらえればあるていど達成されます。
だから冒頭で書いたような「感謝」とだけ書かれたハガキではちょっと難しいんですね。全文がみんな同じコピペ的なものではなく、その患者さんに向けて書いたとわかる内容でないとここは達成できません。手間の問題もありますが、「丁寧」を心掛けるのが遠回りなようで一番簡単です。
また、あなたの治療家としての決意などを熱く書くことができるのであれば、それを書いてみてください。「全力を尽くします」といったような施術に対する決意です。あなたのキャラにもよるかもしれませんが、真剣に熱く語ることは人の心に本当によく届きます。ちょっと恥ずかしいかもしれませんが効果はあるのでやってみてください。
決意を鈍らせない
初回の問診・説明を適切に行うと、ほとんどの患者さんは通院の決意をしてくれます。(集客段階でミスマッチがないことが前提)
問診についてはこちらの「治療院の問診はこの4つを意識しろ」を参考にしてください
でもこの決意もずっと続くわけじゃあないんですね。徐々に鈍っていくのが普通です。この決意が鈍るとどうなるかというと
- もうだいぶ治ってきたしもういいか
- 予約を取っているけどなんか急に行きたくなくなった
- やっぱり施術料金も高いしやめておこうかな
- 本当に治るのかな? ちょっと心配になってきた
といった考えのもと離脱が増えていきます。人間の決意なんて脆いもんなんです。
こうなってしまうと、患者さんはまだ改善していないのに途中で治療を投げ出すことになりますので、あなただけでなく患者さんも結果的に損をします。もちろんあなたにも「あそこに行ったけど治らなかった」というマイナスのイメージと売上げ減の損が待っています。
だからこそ初回来院直後の決意をできるだけ維持してもらうために「あなたの身体はこんなふうに悪いんですよ」「こんな治療をしていく必要がある」といったことを改めてしっかり伝えていくことが重要です。
初回来院時に撮影した患者さんの写真など視覚で確認できるもの。数値化されていて納得しやすいもの。わかりやすい説明で理解できるもの。これらを意識して患者さんの体の状況を説明し、通院を続ける決意を冷まさせないようにしてください。
伝達不足、理解不足を補う
初回の問診・説明はを丁寧に行うと長くなることが多々あります。仮に短くまとめることができたとしても、その内容をすべて患者さんが理解し、覚えていてくれる可能性はそう高くありません。
そうすると治療家側(あなた)は「説明したからわかってくれているはず」患者さんは「よくわからないまま治療が進んでいく」といったすれ違いが生まれる。これは絶対に避けたい状況です。
そうならないための一つの防止策として、サンキューレターで再度わかりやすく説明するのがおすすめです。
初回来院時に患者さんに説明した内容を、もう一度説明するのです。写真や図など視覚情報を入れてわかりやすくがポイント。
初回に撮影した患者さんの体の写真と、現在の体の状態(痛みの原因となっていること)などを簡単に解説するのがもっとも簡単で効果的です。
今後の流れや予定の理解
治療計画や2回目、3回目にどんな施術をどういった目的で行うのか伝えることは、リピート通院にプラスの影響を与えます。先の予定が理屈付きでわかると治療に参加する意欲や決意が生まれるからです。
また通院することが当然といった空気感も生まれます。
これらもおそらく初回来院時に患者さんに口頭で説明しているとは思います。でもすべてきっちりと理解し、覚えていられる方はそう多くないんですね。
だから再度サンキューレターで伝える。次回の施術はどんな目的でなにを行うのか。どれぐらいのペースで何回ぐらい通えば、どのぐらいの確率でどうなれるのか。そういった先の情報を説明してください
バイヤーズリモース防止
なにか商品を購入したあとに訪れる後悔の感情をバイヤーズリモースと言います。その人にとって高い商品を買った後に起こりやすと言われていて、治療院でもこれが起こることがよくあります。
多くの患者さんは、あなたの院に来るまでに複数の治療院の情報を見比べています。近所のA接骨院にしようか、はたまた隣町のB鍼灸院も良さそう。でも口コミも多いし加藤整体院(あなたの院)にしよう!ってな感じに
決心してあなたの院に来て施術を受けた。丁寧に説明しれくれたし施術にも満足したので次回の予約もした。でも家に帰ってきてからバイヤーズリモースが襲ってくるんですね「本当に加藤整体院でよかったのだろうか・・・」「隣町のB鍼灸院のほうがなんだか良く見えてきたかも・・・」ってな感じに。
そんなときにB鍼灸院が初回割引キャンペーンなんぞやっていたら、「ちょっと試しに行ってみようか」ってなっちゃいます。これをなんとか防止したいのです。
サンキューレターで完全に防止するのは難しいですが、なにかそれができなかを考えて見てください。
バイヤーズリモースは「自分の決断は正しかったのか?」という心の葛藤です。であるならば、「あなたの決断は正しかったよ!」をわからせるなにかがあればいいわけ。うん。これが難しいんですが・・・
たとえば患者さんの声なども効果が見込めます。他の患者さんにもこんなに支持されている治療院なら安心だ。私の選択は間違ってなかった!と少しは思ってもらえるからです。
またサンキューレターそのものをバイヤーズリモースの防止になります。こんなに丁寧な対応してくれるんだ。こんなに私の体のことを考えてくれているんだ。と思ってもらえれば、自分の決断の正当性を強化することにつながります。
サンキューレターはなにで送るべきか?
サンキューレターはLINE公式アカウント(の1対1のチャット)で送るのがおすすめです。その理由は
- 手間とコストを最小限に抑えることができる
- LINE公式アカウントに登録してもらう理由になる
この2つです。
手間とコストを最小限に抑えることができる
手紙でももちろん問題ありません。手紙のほうがより丁寧に感じる患者さんも多いでしょう。でも面倒くさいですよね、文字書くのは疲れるし時間もかかる。手書きではなくWordで作成してプリントアウトするにしても手間は掛かりますし、そもそも手書き部分がない手紙なんて魅力も半減します。また封筒代や切手代などのコストだって掛かる。
とくに一人治療院の先生であれば、そういった手間はそこそこな負担になります。
その点、LINE公式アカウントであればデジタルなのでコピペができます。すべてコピペだとよくないのですが、定型文を用意してあとはそれをアレンジしていけばまったく問題ないので、アナログに比べるとかなり楽に患者さん個人に向けたサンキューレターが作れます。
LINE公式アカウントに登録してもらう理由になる
治療院のリピートを伸ばしていくひとつの施策に患者フォローがあります。この患者フォローにLINE公式アカウントはめちゃくちゃ優秀なツールなんです。使わない手はないです。
でね、このLINEを有効活用していくには、まずはLINE公式アカウントに登録してもらう必要があるんですよ。これがないと始まりませんから。この登録してもらう作業に苦労する先生が多いんですね。
んで、これをもっとも高い確率でしてもらえるのが初回の来院時に「〇〇送るからLINE公式アカウントに登録して」と言うことです。
〇〇のところはあなたが実際に送るサンキューレターの内容を伝えてください。たとえば
こんな感じに言えばほとんどの患者さんは登録してくれます。僕の運営する加藤会の先生たちに聞くと、9割ぐらいの患者さんはこれで登録してくれると皆さんおっしゃっていますので、これで7割を切ることはないと思います。
もし7割以下の場合は極端に年配(70代・80代など)の方が多い院か、問診・説明の段階でまったく信頼関係が築けていないかのどちらかです。
サンキューレターは2回目の来院のためではない
初回来院時に次回の予約をして帰った患者さんには、サンキューレターを出さなくていい。と考えている先生がいますが、これはおすすめしません。
次回の予約を取ろうが取らまいが、サンキューレターは全員に出したほうがいいです。なぜなら2回目のリピートのために出しているわけではないからです。サンキューレターはもっとその先を見据えて出すものです。
サンキューレターは
- 予約を取ったけどバイヤーズリモースが起きてしまった
- 数回通院したけど思うような施術成果が出ない
- 数回通院して少し施術成果が出て「もうこれぐらいでいいかな」と勝手に判断した
こういった理由などで通院しなくなってしまうのを防ぐために送るものです。決して2回目のリピートという極めて短期的な目的のためではありません。だから全員に出すようにしてください。
ちなみに通院が必要な状態の患者さんにもかかわらず、2回目の予約がその場で取れない院はもっと大きな問題があります。集客段階でのミスマッチや問診・説明ができていないと考えてください。
これらができていない院はサンキューレターなんて送ってもあんまり成果は見込めません。そもそも通院する気になっていない患者さんだからです。
治療院のサンキューレターは必ず成果が出る
どうでしたか? あなたの治療院のサンキューレターのやり方は間違っていませんでしたか?
僕がこれまでにお会いした先生の多くは、あまり成果の出ないもったいなやり方をされていました。だから「サンキューレターは効果の出ない」と思い込んでいるようでした。
冒頭にお伝えしたとおりサンキューレターは非常に効果のある施策です。この記事を参考に取り組んでもらえれば成果は出ます。少し手間の掛かることもありますが、リピートがあまりうまく行っていない先生は是非チャレンジしてくださいね。