治療院のLINE公式アカウント|登録の取り方・配信の型・プラン選び

LINE公式アカウントは作った。QRコードも受付に置いた。でも登録してくれる患者さんは少ないし、何を送ればいいのか分からなくて、結局ほったらかしになっている。そんな先生は多いと思います。

先に僕の考えを言っておきますね。治療院のLINE公式アカウントは、新規集客の道具というより、今通っている患者さんが途中で来なくなるのを防ぐ道具です。ここに使えば、新規の数を変えなくても売上は伸びます。僕の見ている範囲では2〜3割伸びる院が多いです。ただし、今日始めて来月伸びるものではなくて、半年から1、2年かかります。

僕が整体院とサロンをやっていたころには、こんな便利なものはありませんでした。メールと電話とハガキでフォローしていたんですが、ハガキは書くのが苦痛で、1枚書いたら20分休憩していたので、すぐやめました。もし今から治療院をやるなら、間違いなくLINE公式アカウントでフォローします。

この記事では、LINE公式アカウントの機能説明やメリットの話はしません。そこは2018年に書いた治療院のリピートをLINEを使って1.5倍にする方法にまとめてあります(料金や利用者数の数字は古くなっているので、この記事の数字を正としてください)。今回書くのは、その先の運用です。①誰のために使うか ②登録してもらう方法 ③何を、いつ送るか ④プランの選び方 ⑤LINEに頼りきらない備え。この順番でいきますね。

治療院のLINE公式アカウントは「通院中の患者さん」のために使う

LINE公式アカウントの解説記事を読むと、たいてい「新規集客に使える」「友だちを増やす方法」から始まります。間違いではないんですが、一人治療院がまずやるべきはそこではないです。

理由は簡単で、フォローの労力が少なくて、効果が出やすいのが「今通っている患者さん」だからです。来なくなった患者さんにもう一度来てもらうより、通っている患者さんが途中で離脱するのを防ぐほうが、圧倒的に少ない手間で済みます。誰を優先してフォローするかという話は治療院のリピート対策はこの3つを意識するに書いたので、この記事では繰り返しません。ここでは、その優先順位を前提にして、LINE公式アカウントで具体的に何をするかを書きます。

LINEを使う理由も短く済ませます。国内の月間利用者数が1億人を超えている(LINEヤフー、2025年12月末時点)ので、患者さんの年代を問わず、ほぼ全員が持っています。到達率と開封率がメールより高く、一斉配信も個別のやりとりもできる。そして小さな院なら月額0円で始められる。フォローの道具として、今これより条件のいいものはないと思います。

登録の取り方:初診で7割に登録してもらう

まず、登録してもらえない問題からです。受付にQRコードを置いておくだけで登録してくれる患者さんは、そんなに多くないです。登録してもらうには、2つの壁があります。

・やり方が分からない

・理由が分からない

やり方の壁は、丁寧に説明するしかないです。いちばん手っ取り早いのは、その場で先生か受付が代わりに操作してあげること。それができない状況なら、手順を全部書いた紙を渡す。ここは難しくないです。やるかやらないかだけです。

難しいのは理由の壁です。「LINE登録してください」と言われても、患者さんからすれば「なんで?」なんですね。だから、登録すると何がもらえるか、または登録しないと何が困るか、どちらかを分かってもらう必要があります。

僕がクライアントにすすめている、いちばん簡単な理由づけはこれです。

今日見せてもらった体の状態と、これからの通い方を、あとで文章にしてLINEで送りますね。読み返せるので、登録しておいてください。

初診の問診と説明のあとに、これを言うだけです。患者さんは自分の体のことなので、たいてい欲しがります。初診でやれば、7割くらいの人には登録してもらえます。逆に、これで7割に届かないなら、LINEの問題ではなく、集客のミスマッチか、問診と説明か、施術や対応か、どこかに別の問題があると考えたほうがいいです。問診と説明の作り方は治療院の問診はこの4つを意識しろを読んでください。

クーポンや割引を理由にしてもいいんですが、僕はあまりすすめていません。割引目当てで登録した人は、割引の配信にしか反応しなくなるからです。「あなたの体の説明を送る」のほうが、そのあとのフォローに自然につながります。

配信の型:いつ、誰に、何を送るか

登録してもらえたら、次は何を送るかです。よく「LINEに何を書けばいいですか」と聞かれますが、結論はなんでもいいです。読んでもらえて、興味を持ってもらえれば。ただ、それがいちばん難しいので、僕が使っている型を5つ挙げますね。共通しているのは、「このままいくと来なくなるぞ」というタイミングで送ることです。

治療院のLINE公式アカウントで送るタイミングと中身。来院前・成果の停滞期・順調な時期・対応でしくじった日は個別に、週1回の空き状況は全員に一斉配信

型1:来院前に送る「院の考え方」

予約が入ってから来院するまでの間に、院の方針、通院についての考え方、キャンセルの決まりなどを送ります。来院前にこちらの考えを知ってもらっておくと、初回の説明がすっと入りますし、合わない人は来る前に分かってくれます。予約から来院までに送るものがあるだけで、初回のリピート率は上がりやすいです。

型2:成果が停滞している時期の「不安に寄り添う」

1回目、2回目はよかったのに、3回目、4回目で変化が止まる。ここで患者さんは「このまま続けて意味があるんやろか」と不安になり、いちばん離脱します。だからこの時期に、先回りして送ります。

今、成果が出にくい時期に入っています。多くの患者さんがここを通ります。うちの例だと、ここで踏ん張った方はそこから徐々によくなっていくことが多いです。次回もお待ちしています。

「多くの方がよくなっています」の部分は、自分の院の実際の臨床に合わせて書いてください。僕の文例をそのまま使わないでくださいね。国家資格の先生は、この手の文章が広告制限に触れないかも気にしておいてください。詳しくは広告制限がある国家資格者(接骨院・鍼灸院)のチラシ集客にまとめてあります。

型3:順調な時期の「治しきる」

意外と離脱するのが、順調によくなっている患者さんです。痛みが10から3になると、「もうこれくらいでええか」と自分で判断して来なくなります。そしてぶり返しても、勝手にやめた手前、もう一度お願いしますとは言いづらい。ここも先回りします。

だいぶ楽になってきましたね。ただ、この段階でやめるとぶり返しやすいので、あと◯回は計画どおりに通ってください。

もし予約が飛んだら、「ぶり返していませんか? 今なら◯日の◯時が空いています」と、すぐ予約が取れる形で送ります。

型4:対応でしくじった日の「ひとこと」

施術後にいつもの会話ができなかった。次の患者さんが来て、挨拶もそこそこに帰してしまった。先生は気にしていなくても、「ないがしろにされた」と感じる患者さんはいます。その日のうちに「今日は最後にご挨拶もできず、申し訳なかったです」とひとこと送るだけで、印象がまったく違います。人は、そんな些細なことで来なくなります。

型5:全員に送る「週1回の空き状況」

ここまでの4つは個別配信です。全員向けの一斉配信で、いちばん無理なく続くのが、週に1回の予約の空き状況です。

来週の空き状況です。
月:満員
火:2枠(12:15・18:45)
水:1枠(15:45)
木:満員
金:4枠
土:1枠(13:00)

これを見て「早く取らんと埋まる」と予約する人もいれば、「そろそろメンテナンスに行こか」と思い出す人もいます。毎日送るとうっとうしがられてブロックが増えるので、週1回にしています。キャンセルで急に空いた日に「本日1枠空きました」と送るのも同じ効果がありますが、やりすぎないでください。

治療院のLINE公式アカウントから届いたメッセージを、自宅のキッチンでスマホで見る五十代の男性患者さんのイラスト

一斉配信だけで済ませないこと

型1から4は、その人に合わせた個別の連絡です。一斉配信ができるのに個別に送るのは、正直、面倒くさいです。でも、反応が返ってくるのは個別のほうです。「◯◯さん、その後、膝の調子はどうですか。右に重心が乗る癖があるので、右腰が重だるくなったら早めに来てください」のように、その人のことを書いた一通は、テンプレートの一斉配信の何倍も反応があります。全員にはできなくていいです。通院中の患者さんと、大事にしたい患者さんにだけ、個別に送ってください。

やらないほうがいいのは、何年も来ていない人にまで同じ定型文を一斉に送ることです。心がこもっていない年賀状と同じで、労力に対して返ってくるものが小さいです。

プランの選び方:友だち数×月の配信回数で決まる

料金の話です。LINE公式アカウントのプランは3つで、違いはほぼ月の無料メッセージ通数だけです(LINEヤフーの料金ページ、2026年9月時点)。

プラン 月額(税別) 無料メッセージ 追加メッセージ
コミュニケーションプラン 0円 200通 不可
ライトプラン 5,000円 5,000通 不可
スタンダードプラン 15,000円 30,000通 可(1通3円まで。2026年10月1日に改定)

ここで数える「通数」は、送った人数分です。友だち100人に1回一斉配信すると100通。カウントされるのは、こちらから配信する「メッセージ配信」で、患者さんからの問い合わせにチャットで返す分は数えられません(LINEヤフーの料金ページの説明にそう書いてあります。細かい条件は変わることがあるので、公式ページで確かめてください)。

治療院のLINE公式アカウントのプランを決める計算。友だちの数×月の一斉配信回数=月に使う通数。友だち40人で週1回なら160通で月0円のプランに収まる

計算はこれだけです。

友だちの数 × 月の一斉配信回数 = 月に使う通数

たとえば友だちが40人で、週1回の空き状況を送るなら、40×4で160通。コミュニケーションプランの200通に収まります。友だちが60人を超えたあたりで、週1回でも200通を超えるので、そこでライトプランに上げます。月5,000円で5,000通なので、友だち1,000人まで週1回の配信ができます。一人治療院でスタンダードプランが必要になることは、まずないです。

逆に言うと、月200通で足りている間は、友だちの数が少ないということでもあります。まだ患者さんに登録してもらえていない証拠なので、料金の心配より、前の章の「登録の取り方」を先にやってください。

なお、開設時は自動的にコミュニケーションプランになります。プランを上げるときは月の途中からでも変えられますが、下げるときは翌月からです(これもLINEヤフーの料金ページに書いてあります)。

LINEに頼りきらない備え

ここまでLINEをすすめてきましたが、頼りきるのは危ないです。LINE公式アカウントは他社のサービスで、規約も料金も、向こうの都合で変わります。

僕自身、治療家向けに配信していたLINE公式アカウントが、規約違反だということで停止され、そのまま削除されたことがあります。何に触れたのか、詳しい理由は分かりませんでした。こちらからは何もできません。患者さん側の画面にはアカウントが表示されたままなのに、送られたメッセージをこちらは一切見られない。そういう状態になりました。何年もかけて集めた登録者が、一日で消えるということが、実際に起こります。

だから、備えは2つです。

・患者さんの連絡先は、LINEとは別に院側でも持つ。問診票の電話番号と住所、できればメールアドレス。LINEが消えても、こちらから連絡できる状態を残しておく

・配信内容は規約とガイドラインの範囲で。医療や健康に関する配信は審査が厳しめです。効果をうたう表現、症状名を並べる表現は、国家資格者の広告制限と同じ感覚で控えめにしておく

そのうえで、現時点ではLINE公式アカウントを使わない理由はないと思っています。使わないことの損失のほうが、ずっと大きいです。

フォローしなくても埋まっている先生は、やらなくていい

最後に、これは言っておきますね。僕は基本的に、患者さんのフォローなんてしなくていいと思っています。面倒くさいですから。予約枠がフォローなしで埋まっているなら、やらなくていいです。

でも、まだ予約枠が余っている。新規は今のままで、売上をもう少し伸ばしたい。そういう先生なら、LINE公式アカウントでのフォローは、やればほぼ確実に効きます。時間はかかりますけどね。今日アカウントを取って、明日の初診から「体の説明を送るので登録しておいてください」と言ってみてください。そこからです。

この記事の要点

・治療院のLINE公式アカウントは、新規集客より「通院中の患者さんの離脱を防ぐ」ために使う。売上は2〜3割伸びる院が多いが、半年〜2年かかる

・登録の壁は「やり方」と「理由」。理由は「体の状態と通い方を文章で送る」がいちばん簡単で、初診で7割は登録してもらえる

・送るタイミングは、来院前・停滞期・順調期・対応をしくじった日。全員向けは週1回の空き状況

・個別の一通は一斉配信の何倍も反応がある。通院中と大事な患者さんにだけでいい

・プランは「友だち数×月の配信回数」で決める。友だち60人くらいまでは月0円、それを超えたら月5,000円のライトプランで十分

・LINEは他社サービス。連絡先は院側でも持ち、配信内容は規約と広告制限の範囲で


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LINE公式アカウントは道具です。誰を集めて、初回にどう説明して、どう通ってもらうか。その設計ができていない院でLINEだけ始めても、送る相手も送る内容も定まりません。

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この記事で使った数字の出典

・LINE公式アカウントの料金プラン:LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント 料金プラン」(2026年9月8日確認)https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/plan/ 。2026年10月1日の追加メッセージ料金改定は同社のお知らせ(2026年2月16日)https://www.lycbiz.com/jp/news/line-official-account/20260216/

・LINEの国内月間利用者数:LINEヤフー株式会社 プレスリリース「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2026年1月29日。2025年12月末時点)https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/020058/

・配信の型と文例は、僕がクライアントにすすめているものを整理したものです。「7割」「2〜3割」は僕の経験からの目安で、統計ではありません

料金・規約はLINEヤフーの都合で変わります。導入前に必ず公式ページで最新の条件を確認してください。

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