治療院の新規集客はいうまでもなく非常に大事です。新規顧客を安定して集めることができなければ、どんな大企業でもどんな個人商店でも必ず衰退していくからです。
その新規集客において、しっかりと意識してほしいことが、「選択肢に入る」ということ。この選択肢に入れないがために、患者さんを集めることができない治療院が本当に多いのです。逆を言うと、選択肢にさえ入ることができれば、それだけでもそれなりに集客できてしまうともいえます。
新規集客にもっとも大事な「認知」
選択肢に入るために必要な最初のステップは認知。これはあなたの治療院の存在を、「知っている」という状態にできるかどうかということ。実は新規集客において、ここが最も重要で、もっとも難しいポイントなんですね。特に1人で整体院や鍼灸院をやっているような、小規模治療院においては、めっちゃ重要です。
弊社のクライアントもほぼすべて小規模治療院です。このクライアントの多くが最初にぶつかる壁が、この認知不足にあります。ようは、そこに治療院があると知られていないんですね。
そんなことはない。ホームページだってあるし、チラシもまいたこともある。看板だってちゃんとあるし、人通りも多くはないが少しはある。しかも開業して5年にもなる。それでその存在を知られていないなんてことはないはず。と、あなたを含め、多くの治療院経営者は思うかもしれません。
でも実際は意外と知られていない。「こんなところに整体院があったなんて知らなかった。開院されたの最近ですか?」というセリフが、開業後何年経っても患者さんの口から出てくるのがその証拠です。
なので、まずはなにがなんでも認知してもらう必要があります。存在を知らなければ、どう転んでもその治療院に行くことができませんから。
見込み患者さんから認知されるために
認知されるには、お金か労力のどちからが必要です。これは絶対です。
よく、なーにもしないで、新規患者さんが来ないと嘆く先生がいます。これって当たり前なんですね。よっぽど腕や総合的な商品力がよくて、なにもしなくても紹介患者さんがいっぱい来るというのであれば、それでうまく回るでしょうが、それはレアケースです。
なので普通はお金か労力のいずれか、もしくは両方を掛ける必要があります。
一人治療院の場合、集客に掛けられる費用が限られているので、どうしても無料で集客できるものはないか?という考えになってしまいがちです。その気持ちはめちゃくちゃわかります。でもやはり認知のためにはコストが掛かるということはしっかりと意識しておいてください。
- 認知されやすいように立地のいい場所に治療院を出す。
- 看板などを目立たせる
- チラシや情報誌で宣伝する
- ホームページを作り込む。PPC広告を打つ
- ポータルサイトなどの有料会員になる
- 近隣店舗に営業をする
などなどたくさん方法はあります。このほかにもまだまだあるでしょう。とにかく、まずは認知してもらわなければ安定して集客することはできません。そのためのコストは必要経費なのでなんとか捻出しましょう。
ホームページ集客で選択肢に入る
わかりやすいようにネットで治療院を探すケースで考えてみます。
たとえば、あなたが守口市というところに住んでいて、腰痛で困っているとしてください。
1.認知してもらう
まず最初に地域名と業種名、もしくは地域名と症状名といったような検索をかけます。ここでは「守口市 腰痛」と検索した場合で見ていきます。
この時点が認知の壁を越えた状態です。どう検索するかはさまざまですので、これだけではありません。しかし「守口市 腰痛」と検索した人にとっては、ここに表示されている治療院以外は存在しないも同じといってもいいでしょう。
参考までに、順位別にどれぐらいの人がクリックするのかを示したデータが以下です。
引用:英NetBoosterが公開した2014年の検索順位別クリック率データから
1位 19.35%
2位 15.09%
3位 11.45%
4位 8.86%
5位 7.21%
6位 5.85%
7位 4.63%
8位 3.93%
8位 3.35%
10位 2.82%
5位ぐらいまでに表示されないと、ほとんどクリックすらされない、すなわち認知されないという状態であると言えます。先にも書いたとおり、認知されなければ選択肢に入ることすらできません。なので、まずはこの順位をお金買う(PPC広告)か、もしくはSEO対策で上位表示させるかしなければなりません。
2.「ここじゃない」に入らないようにする
ホームページをパッと見て「あ、私が求めている治療院はここじゃないな」と思われてしまって、その時点で比較対象から外れてしまうことがよくあります。この「ここじゃない」感の多くは、ヘッダーの出来とデザイン的な問題にあります。
一昔前の競合が少ない時代であれば、デザインが壊滅的に悪くてもなんとかなりました。比較対象する数そのものが少なかったからです。でも今は、特に競争の激しい都市部では、その選択肢がいくらでもある状態になってきました。
そうなると、パッと見て「あ、ここじゃないな」と思ったら、もうそのサイトを閉じて他のサイトに移動されていしまいます。なので、まずは選択肢に入るためにも、デザインもそれなりに重要な要素となってきました。
ポータルサイト(口コミサイト)で選択肢に入る
これを書いている2016年9月現在、エキテンなどポータルサイト経由での集客が有効な一つの手段となっています。いまや、日本全国のかなりの地域で、「地域名 整体」などの検索で、エキテンなどの口コミポータルサイトが上位表示されるようになっています。
僕が主宰する加藤会のメンバーの中にもエキテンから10名~20名集客している先生が増えてきました。なので、これらを使わない手はありません。でも、やはりここでもまずは選択肢に入ることを意識する必要があります。というか、それがほぼすべてといってもいい。
選択肢に入るためにすべきことをエキテンを例にしてみます
1.上位表示させる
先に書いたホームページと同じで、まずは上位に表示させないと勝負になりません。最近ではエキテンの登録治療院も多くなってきたので、地域によってはその数が数ページにわたることがあります。
となると、まずは最低でも1ページ目、できれば上位5番目ぐらいまでに入りたいところ。2ページ目以降に表示されれば、ほとんど集客できないといっていいでしょう。
ということで、エキテンで集客したいなら、まずはなにがなんでも上位表示されることが必須です。
で、上位表示させる方法ですが、基本はお金です。つまりより多くお金を払って上位オプションプランに入れば、それだけで上位表示が可能になります。競争が激しい地域であれば、有料プランにしないと1ページ目掲載がほぼ無理な地域もあります。
2.口コミ数を増やす
エキテンは口コミサイトです。実情を知っている側からすれば、口コミがいかにあてにならないかは容易にわかりますが、一般の利用者のほとんどはそれがわかりません。
となると、「口コミが多い=いい治療院」の構図が残念ながら成り立ちます。ただ、ここで重要なのは、「口コミが多い=いい治療院」よりも「口コミが少ない=悪い治療院」の図式のほうがより影響が大きいということです。
これがどういう意味かというと、ある程度の口コミ数がない治療院は、比較対象から外すという意味。
これはもちろん競合がどうなのか?によりますが、例えば周りの治療院の口コミが100件だったとしてください。そういった状態で、自院の口コミ件数が数件という状態であれば、その治療院は「ここはないな」と最初から選択肢にあがれないのです。
逆にいうと、件数で勝っていなくていいので、ある一定数の口コミさえあれば、その比較対象のテーブルにあがることができるのです。その件数は地域差はありますが、おおむね30件と僕は考えています。
エキテンはここで紹介した、選択肢に入るための二つの要素を満たせば、今のところそれなりに集客できます。
まとめ
治療院の新規集客において、選択肢にはいることが、いかに大事かご理解いただけましたか?今回は詳しく触れませんでしたが、クーポンサイトなどであれば、選択肢に入るためには、ある程度の割引率が必要になります。
全体を簡単に理解するためには、媒体の趣旨や、利用者の考え方を考えると答えが出やすいかもしれません。それぞれに「だって」をつけるといいです。
だって、存在をしらないし
だって、ホームページが汚いと不安だし
だって、口コミが少ないと判断できないし
だって、安いほうがいいし
といった、「だって」に続く部分を考える。このだってに続く部分を解決できると、その媒体において比較対象のテーブルにあがることができるのです。もちろん、その比較のされかたが嫌ならその媒体は使うべきではありません。わかりやすい例をあげると、安さで選ばれたくないならクーポンサイトは使うなっちゅうことですね。
どんな新規集客においても、その内容をきっちりと作り込むことは大事です。その中でも選択肢にあがれるかどうかは最も大事と言ってもいいかもしれません。その点をしっかり意識していってくださいね。