鍼灸師の年収は低い?儲からない鍼灸院経営が実はおすすめな理由

鍼灸師の収入は異業種と比べると低いです。(※信頼できそうな正確なデータがいくら探してもみつからないので、かなり主観が入っちゃってます)

また、同系の資格業務、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師と比較しても、柔道整復師のほうが収入は多いし、あん摩指圧マッサージ師と比べても若干低いんじゃないかな?と思っています。

でも僕的には鍼灸、柔整、マッサージの中では圧倒的に鍼灸師がおすすめだと思っています。仮に息子がどれかになりたいと言ってきたら、絶対に鍼灸師をすすめる。柔整師だけは絶対にすすめない。

ということで、この記事ではこれから治療家を目指す方のために鍼灸師の年収や給料、開業後に年収1000万を実現する方法についてお伝えします。

鍼灸師の年収、給料は?

鍼灸師の年収、給料の正確で信頼おけるデータが見つけられませんでした・・・ が、いろいろ調べた結果と僕のこれまでの経験から導き出すと、だいたいこれぐらいかなと。

ステージ 新人(5年目ぐらいまで) 中堅(5年目以降) 院長
給料 18万~23万 20万~30万 30万~50万

年収でいうと3年目ぐらいまでは250万~300万。中堅になってくれば300万~400万。院長クラスになってやっと400万~600万といったところだと思います。手取りにしちゃえば20万を切る先生がたくさんいる。これが鍼灸師の給料の現実です。

上記は比較的まともな鍼灸院や病院などに就職できたときの数字です。人間的に人を雇うレベルにない経営者で、労基法なんぞガン無視、従業員なんて使い捨ての安い労働力ぐらいにしか考えてないような鍼灸院もたくさんあります。そういった鍼灸院だと給料ももっと低くなる可能性もありますし、サービス残業も当たり前のようにあったりします。実際にこの手の話は何回も聞きました。このへんはさらにデータとして見えてこないので、実態は本当にわかりません。

ただし独立開業して鍼灸院を自分で経営すれば、収入も大きく変わります。どんなふうに変わるかというと、下限はもっと低くなり上限はもっと高くなる。おそらく月収5万~1000万ぐらいの差ができます。

さすがに月収1000万なんて人はそうそういませんが、月収100万ぐらいなら数%はいらっしゃるんじゃないでしょうか。ただし、月収20万以下といった層も数十%はいると思います。

僕の元に相談に来てくださる鍼灸師の先生で、月の売上げが20万以下ですなんて先生はそう珍しくない。けっこういます。その反面、月収100万以上の鍼灸師も増えているようです。僕が主宰をつとめる加藤会にも活躍されている先生がたくさんいます。どんな業界もそうですが、二極化しているなという印象を持っています。

 

鍼灸師は儲からない。やめとけ!と鍼灸師が口を揃えて言う理由

これまでにお伝えしたように、鍼灸師の給料は低いですし、まともな就職先もそう多くありません。また、希望通りの仕事ができないことも少なくないです。

希望通りの仕事は人によって違うとは思いますが、鍼灸師になったらからには鍼や灸を使った鍼灸治療をしたいと思う先生が多いはず。尊敬できる先生の元で技術を盗みながら、自分も治せる鍼灸師になってやるんだ!なんて感じの野望を胸に鍼灸師になった先生も多いと思います。

でも現実的にそんな環境を手に入れ日々成長できている先生は、たぶん一握りじゃないでしょうか。

鍼灸師だけど接骨院でマッサージもどきを毎日やっています。鍼なんて滅多にしないし、そもそも技術力のある先輩もいないから教えてももらえない。毎日毎日、慢性腰痛を外傷と偽ってモミモミするだけ。しかも薄給。こんなことするために鍼灸師になったんじゃない!なんて先生が全国にたくさんいます。

そんな環境が嫌で鍼灸院を独立開業したとすれば、その後は治療だけではなく経営者としての仕事も待っています。で、ここで多くの鍼灸師がつまずく。だって学校では経営についてなんか一切学んでいないからです。

とりあえず看板出して、ホームページ作っておけばちょっとぐらい患者さんが来てくれるだろう。そしてそこから紹介が広がっていけばなんとかなるはず!と頑張ってみたものの、いつまで経っても月収は20万どまり。こんなはずじゃなかった・・・ ってな鍼灸師が全国にたくさんいるんですね

そしてそんな経験をした先生は口を揃えてこう言います「鍼灸師は儲からない。やめとけ!」と。

 

鍼灸師が収入を上げたければ独立開業が最も簡単な解決法

まともな就職先があまり多くない。給料も少ない。希望する仕事ができない可能性も低くない。そしてそれを身を持って体験してきた先輩たちは口を揃えて「鍼灸師はやえておけ」と言う。うん。あんまり有望な業界とは言えないですよね。

なので僕は、鍼灸師としてちゃんとした収入を得て楽しくやりがいのある仕事がしたいなら、最終的には独立開業するのがもっとも簡単な方法だと考えています。

簡単はちょっと語弊があるかな。でもそれ以外のほうがもっと狭き門というか、難易度が高いと思うんですよね。だったら自分で鍼灸院をやっちゃえと思うわけ。

独立してもうまくいかない鍼灸師が多いのも確かです。でもそれはやりかたをわかってないだけです。ちゃんとしたやりかたを学び、しっかり行動すれば年収1000万ぐらいはそんなに難しいことではありません。少なくとも、鍼灸師としていい会社に就職して、そこで給料もたくさんもらって、希望する楽しくてやりがいのある仕事ができる環境を手に入れるよりも簡単です。

 

鍼灸院経営はやっぱり苦しい。儲からない

開業しろと言われても、巷の鍼灸師は「この業界はもうダメだ」と言います。「鍼灸なんか誰も受けてくれない」とも言います。そんな声を聞いていたら、やっぱり鍼灸で食っていくのは難しいんじゃないか・・・って思ってしまう。

あなたはこんな感情を持っているかもしれません。確かに、現状は厳しいように見えるし、実際に厳しいです。これは事実。

でも姿が見えない幽霊に怯えるかのように、訳もわからず嘆いていたって仕方ないんですね。なぜ鍼灸は苦しい立場にあるのかをちゃんと理解することが、そこから抜け出していくための力にもなると僕は思うので、ここからは「なぜ鍼灸は儲からないのか?」をお伝えしていきます。

で、それを理解してから「それでも鍼灸は儲かるし楽しい有望な資格だ」をお伝えしますね。じゃ、まずは儲からない理由から

 

1.鍼灸院を他の競合と比べてみると

僕は治療家専門の講座やコミュニティ運営をしているので、常に全国の200名以上の先生から治療院経営の実態が生の声として入ってきます。またメルマガ読者さんも1万人を超えているので、そこからも常に情報が入ってきます。

そこで感じているのが、鍼灸院は他の治療院と比べると新規の患者さんを集めにくいという事実。これが鍼灸院を経営する際の最大の壁となり、多くの鍼灸師を苦しめています。

この集客・集患に苦労する理由は、認知度や信頼度、そして法律など。たとえば直接の競合となる業種と鍼灸院を比較してみるとこんな違いがあります。

医療機関(病院など)

あなたもご存じのように日本の医療制度はとても充実していて、信頼度・認知度ともに非常に高い。そして原則として保険が効くので費用も安い。多くの患者さんは、基本的になにか体の不調があれば、真っ先に治療のための候補として医療機関をあげるはずです。

接骨院(整骨院)

2017年10月時点においてグーグルトレンドで検索数を比較した場合、「整骨院」と「鍼灸院」では、整骨院が圧倒的に(3倍近く)多く検索されています。そういった意味においては、認知度は整骨院のほうが高いと予想されます。(※グーグルトレンドとは、どういった単語が検索されているかを調べるツールです)

信頼度を予想するのは難しいのでほぼ同じとします。でも受領委任制度を利用した保険が原則として医師の同意書なしに扱えるので、費用面では病院に近いポジションに立てています。正当な運営がされているか否かは別にして、保険を使うには医師の同意書が必要な鍼灸よりも有利です。また、整骨院は保険が効くところという認知は、鍼灸の保険に関するものよりも広く知られています。この保険の認知度に関しても整骨院のほうが上です。

整体院

整骨院と同じように、2017年10月時点においてグーグルトレンドで検索数を比較した場合、「鍼灸」と「整体」であれば「整体」の検索数が倍近く多いという結果がでます。これが「鍼灸院」と「整体院」を比較した場合は、わずかに鍼灸院のほうが多い。ですから認知度からいうとほぼ同じかやや不利に位置します。

信頼度の優劣はちょっとつけがたいです。鍼灸師側から考えれば、「なんで国家資格者と民間資格者で信頼度が同じなんだ!」と異論があるかもしれません。でも残念ながら一般の方で、国家資格と民間資格の違いを理解している割合は、現時点ではそれほど多くないんじゃないでしょうか。そういった背景もあって、この両者の信頼度に大した違いはないと予想しました。

鍼灸と整体、この両者が決定的に違うのは広告制限の有無です。鍼灸院は、あはき法の7条に定められている通り、広告に関して厳しい制限を受けます。でも整体院に関しては、景品表示法や医療法などの制限を受けるとはいえ、現実問題としてほぼ野放し状態です。ここの差は新規患者さんを集める際にめちゃくちゃ大きな影響を及ぼします。言うまでもなく整体院側が有利です。

一般の方の感覚からして、値段すら表示されていない鍼灸院のチラシや看板と、値段も経歴も特徴や違いも、そして患者さんの声までも掲載されている整体院のチラシや看板、どちらに興味が湧きやすいかは明白ですよね。

リラクゼーションサロン(民間資格のマッサージっぽい施術院)

ここで取りあげるのは、国家資格のマッサージ院ではなく、民間資格のリラクゼーションサロンなどです。この業界で従事する人にとっては、国家資格のあん摩マッサージ指圧師と、民間資格のリラクゼーションの違いは簡単に説明できます。でも一般の方にとってこの両者の違いを知っている方はまだまだ少数派。だから法的にはマッサージ院ではありませんが、一般の感覚に合わせて敢えてここではマッサージという単語をあえて使っています。

認知度においては、「マッサージ」と「鍼灸」を比較すると「マッサージ」が10倍近く多く検索されています。ただし「マッサージ院」と「鍼灸院」を比較するとこれが逆転し、「鍼灸院」が4倍多く検索されています。なので、認知度を計るのは難しいです。(感覚的にはマッサージの認知度のほうが高いと思っていますが)

差がつくポイントは価格などを含めた気軽さにあるのではと個人的に考えています。

2017年現在、東京や大阪などの街を歩くと、マッサージ店をいたるところに見つけることができます。最近は全国チェーン展開をするような大手も参入し、価格競争も起こっている状態です。そういった競争環境にあるがゆえに、生き残るための各社の企業努力は目覚ましいものがある。

1時間2980円といったような激安価格。入りやすい店内。顧客ニーズに合わせたコンセプト。資金力を使った立地や宣伝。これらを駆使し、ちょっとした肩こりや腰痛などの方が気軽に「疲れがたまったしマッサージでも受けよう」と思ってもらえる市民権を獲得しました。その集客力は鍼灸院を圧倒しているといってもいいと思います。

そしてここで述べているマッサージ店は民間資格の施術院を指しますから、整体院などと同じようにあはき法の広告制限を受けません。その点でも集客力においては鍼灸院より圧倒的に有利な立場に立てます。

このように、鍼灸院と競合する施術院などを比較してみると、どうしても鍼灸院の不利な点が目立ちます

 

2.鍼灸のイメージは悪いから給料が低い


どれだけの人が鍼灸治療を受けたかの割合を、鍼灸受療率といいます。これに関する調査を探すといくつかの資料が見つかります。それぞれ数字は微妙に違ってはいますが、年間の鍼灸受療率はおおむね7%前後という結果になっているみたい。同じような調査で整骨院は15%ほどと報告されているものもありますので、やはり鍼灸治療を受ける人は少ないといえるのかもしれません。

では、この受療率の低さの原因はどこにあるのでしょうか? 少し古いデータになってしまいますが、医道の日本第751号(平成18年5月号)にこんな調査結果が掲載されています。

その調査において、鍼灸治療を受けたいか? との質問に対し、48.6%の方が「受けるつもりはない」と回答しています。そしてこの方たちにその理由を聞いたところ、得られた回答結果が以下です。※複数回答

  • 他の医療で十分・・・40・3%
  • 健康に自信がある・・・22・3%
  • 治療が痛そう(熱そう)・・・20・2%
  • 治療費が高そう・・・15・1%
  • 何にきくかわからない・・・13・5%
  • 効果を信じない・・・13・5%
  • 治療環境が非衛生的と思う・・・5・4%
  • 治療を受ける時間がない・・・4・3%
  • イメージが古くさい・・・3・2%
  • その他・・・5・2%
  • 不明・・・3・2%

引用・参考文献 医道の日本第751号(平成18年5月号)

他の柔整や整体などの治療院にもあてはまることもありますが、鍼灸に対するマイナスのイメージを少なからずもっているのは確かなようです。痛そう、高そう、よくからない、衛生面の問題、こういったイメージが邪魔することで、鍼灸の受療率はなかなか伸びていない状態にあるといえます。

引用させてもらった文献には出ていきていませんが、その他にも肌の露出なども要因のひとつとしてあるのではないかと個人的に考えています。鍼灸治療は基本的に肌を露出させて行います。そうするとどうしても心理的な抵抗が高くなる。特に男性施術者一人などの鍼灸院にとっては、少なからず影響が出るんじゃないかと思っています。

これらのことから一般の方が鍼灸治療に対する抱くイメージは、マイナスのものが少なくなく、それらが受療率の低さに影響していると予想されます。

 

3.鍼灸師はめちゃくちゃ多いから収入が少ない

平成30年度衛生行政報告例によると、国家資格者や施術所の数と推移は以下の表のとおりです

平成20年 平成22年 平成24年 平成26年 平成28年 平成30年
あん摩マッサージ指圧師 101913 104663 109309 113215 116280 118916
はり師 86208 92421 100881 108537 116507 121757
きゅう師 84629 90664 99118 106642 114048 119796
柔道整復師 43946 50428 58573 63873 68120 73017

出展元:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

整体やカイロプラクティックは民間資格なんで正確な数字はありません。完全に僕の推測になりますが、おそらく数万人はいるんじゃないでしょうか。

それぞれの簡単な違いは

資格 施術所数(平成30年) 療養費支給対象(保険)の適応症
あん摩マッサージ指圧院 あん摩マッサージ指圧師(国家資格) 19389 筋麻痺・関節拘縮等の症状が認められる方にその症状の改善を目的として行う施術
鍼灸院 はり師・きゅう師(国家資格) 30450 神経痛・腰痛症・五十肩・リウマチ・頸腕症候群・頚椎捻挫後遺症など
接骨院(柔整師) 柔道整復師(国家資格) 50077 捻挫・打撲・挫傷・脱臼・骨折など
整体院 整体師など(民間資格) 不明 療養費の支給対象ではない

出展元:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

■資格者数
・はり師・・・121757人
・きゅう師・・・119796人

■施術所数
・鍼灸院・・・30450院

となっています。比較のために同じ年度の柔道整復師や接骨院も表に記載していますが、鍼灸師のほうが多いのは一目瞭然。最近は柔整師が増えすぎて大変だと治療院業界では騒いでいますが、鍼灸師のほうがはるかに多いのです。

このように施術者が柔整より多いにもかかわらず、受療率は柔整より低い。これが鍼灸の置かれている現状で、給料も収入もあがらない原因の一つになっています。

 

4.「金儲け=悪」と脳内変換する鍼灸師の存在が貧乏を増やす


僕のクライアントでめっちゃ頑張っている鍼灸師の先生がいます。その先生は2年ほど前まで月の売り上げが40万ほどでした。でも今は一人で月商150万を売り上げるまでになりました。

その先生が順調に売り上げを伸ばしていくと、仲間の鍼灸師から「金儲けのために治療家やっているのか?」 といった意味合いの嫌味をたびたび言われるようになったそうです。

「金儲け=悪」という発想しかできない治療家はいたるところに棲息しています。もちろんちゃんとした統計はありませんが、なぜか鍼灸師にそういった類の人が多い。そしてそういった人たちは、儲かっている治療家を見つけるとネチネチと攻撃してくるのです。

ちょっと儲かりだすと、「治せないから何回もリピートするんだ。ウチは1回で治っちゃうからリピートしなくて全然儲からない」とかなんとか言いだす。値上げでもしようものなら「いつからお前は金の亡者になったんだ?」なんて言われてしまう。

僕からすれば、ちゃんと鍼灸治療を行いその対価としてお金をもらってなにが悪いねん! と思ってしまいます。そしてごちゃごちゃ言いたいヤツに言わせておけばいい。と、一笑に付します。

でも真面目な先生ほどそうできないんですね。そう簡単に心の整理ができないみたいなんです。これがまったくの赤の他人ならまだしも、応援してくれていると思っていた仲間や友達からそういった批判が出てくることだってあるからなおさらです。

そういった周りの言動に影響され、心にブレーキを掛けてしまった状態は、鍼灸院経営に大きな影響を及ぼします。もちろんたいていは悪いほうに影響する。

こんな感じに鍼灸師の置かれている状況は暗いです。この章で述べたように、他と比べて患者さんが集めにくい。マイナスなイメージを持たれている。受ける人が少ないのに鍼灸師は多い。ちょっと儲かりだすと周りが全力で邪魔してくる。

ここで終わってしまうと、「ほらやっぱり鍼灸はダメじゃないか」となるかもしれません。でももちろんこれで終わりではありません。次の章では、鍼灸の明るい未来についてお伝えしていきます。

 

鍼灸院経営の未来は明るい。高収入も可能

1.鍼は鍼師にしかできないから儲かる

鍼は鍼師にしかできません。厳密にいうと医師もできますが、医師で自ら率先して鍼治療をしている人はおそらくかなり少数派なので、ここでは無視します。

鍼は鍼師にしかできない? そんなん当たり前やろ。なに言うとんねん! と、あなたは思うかもしれません。でも実はそんなに当たり前なことではないんですね。たとえばマッサージを例にとってみます。

あなたが鍼灸師であればご存じのように、あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)の第1条にはこう書かれています。

医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

このようにマッサージを業として行うには、あん摩マッサージ指圧師免許をもっていないとできません。と法律に明記されています。しかし実際はどうですか?

マッサージではなく、あくまでリラクゼーションという形をとって、街中のいたるところにマッサージ屋さんが存在します。施術を受けているお客さんは、マッサージを受けているという認識を持っています。その店が国家資格者の運営するマッサージ院か、それとも民間資格者が運営するリラクゼーションサロンかなんて、ほとんどの人は気にもしません。

これらのリラクゼーションサロン(エステサロンなども)は、普通に考えれば法的に問題があるのでは? と思う先生も多いかと思います。でも現在のところそれほど厳しく規制されている様子はないです。

規制されるどころか、総務省が制定する日本標準産業分類の中に、リラクゼーション業もエステティック業もしっかり入っています。総務省と厚労省で管轄は違いますが、国は今の状況を半分認めているといってもいい状態だともいえるのです。

もちろん、国家資格者でなければ療養費の申請はできないし、なかには国家資格者でないと体を触ってほしくないという患者さんもいるでしょう。でもここまで緩くなってしまうと、「マッサージなんて資格がなくても誰でもできる」という認識になってしまいました。むしろ広告制限などのことを考えれば、無資格者のほうが好都合な面すらあります。

つまりマッサージ師であることのメリットは大きくないのです。

接骨院はどうでしょうか? 接骨院で行う柔道整復は柔整師でないとできません。ですから保険診療を中心とした接骨院であれば、柔整師という資格は大いに役立つというか必須。

でも最近は保険だけでは接骨院の経営は厳しくなってきました。不正をせず本当にまっとうな療養費の支給申請をしたとすれば、接骨院経営は簡単ではない時代です。というか無理だと僕は思う。

そういった背景から自費治療を導入する接骨院は今後も多くなっていくでしょう。現に僕が主宰をつとめる「加藤会」に所属する柔整師のほとんどが、ほぼ自費です。普通にやってたら外傷なんてそんなにこないですから。

先に書いたように、保険治療であれば柔道整復師という資格が大いなる武器になります。でもこれが自費治療となれば、資格はむしろ邪魔になることだってあります。

なぜなら接骨院で行う自費治療と、整体院やマッサージ屋さんで行う自費施術、この両者の違いはあまりわからないからです。となると、広告制限のない民間資格者は有利です。仮に法的要件を整えて新たに整体院などを作ったとしても、それは同じ条件になっただけで有利になったわけではありません。

つまり今後伸びていくであろう自費治療の分野において、柔道整復師という資格のメリットも大きくないのです。むしろ邪魔。

あはき法や柔道整復師法によって、マッサージ師や柔道整復師の業務は守られているように見えます。でも実際は、リラクゼーションマッサージや整体にその業務をおびやかされています。

そんな状況にあって鍼灸だけは、この章の冒頭で述べたように鍼灸師にしかできません。

マッサージ師という資格があるのに、隙間をついてリラクゼーションマッサージがここまで繁栄しているひとつの理由は、マッサージの定義にあります。

あはき法にはマッサージはマッサージ師と医師しかできないと明記されていますが、その肝心のマッサージとはなんぞや? という定義までは書かれていません。厚労省も通達などで定義らしいものを一応出してはいますが、ただ出しただけの状態です。だから現状は「私のやっていることはマッサージではなく単なるリラクゼーションです」と言われれば、それを規制するのは容易ではないのです。

でも鍼は道具を使うのでそういった曖昧さは少なくなります。鍼師の資格を持っていないものが、ブスっと異物を体に刺せばそれだけで問題になりますから。そういった意味で、鍼師というのはむやみに業務範囲を侵される不安が他の治療院よりも圧倒的に少ないんですね。これは大きなアドバンデージになります。

 

2.大規模チェーン展開しにくい

かつて治療院といえば、個人が地元密着院として経営するケースがほとんどでした。接骨院を地元に数院持っている先生はそれなりに存在しましたが、全国展開するような院はほとんどありませんでした。

しかし、2017年の段階で見ると、大規模展開する大手と言われるようなところも出てきています。増え始めた当初はリラクゼーションマッサージなどの店が中心でしたが、最近はストレッチや整体と称した店も増えてきています。この流れは今後も続いていくと私は予想しています。

これらの店は今のところ、多くがリラクゼーションマッサージか整体など、民間資格で可能な業種です。理由はスタッフの確保が容易だからです。あとは広告規制。

整体やリラクゼーションマッサージであれば、ズブの素人を雇用し整体師を名乗らせても法的にただちに責任を問われることはありません。ようは誰でも希望すればなれるわけですから、安い賃金でかつ大量に雇用することが可能です。

しかし、これが鍼灸院であれば話は別です。いくら資格を持っている人が多いとはいえ、そう簡単に大量雇用できるものではありません。賃金も相対的に無資格者よりも高くなりますので、資格者を揃えて大規模化するのは簡単ではないのです。

そういった理由で、今後もリラクゼーションマッサージのように全国に何十店舗も展開するような鍼灸院グループはそう多くは出てこないのではないかと予想しています。

 

3.適応症が多く論文やエビデンスも豊富


鍼灸の適応症は非常に広範囲に及びます。しかもそれらに対する論文も多く発表されていて、エビデンスの面でも柔整や整体などと比べれば充実しています。これはめちゃくちゃ大きな武器です。

たとえば接骨院を例に出すと、保険が効くのは骨折、脱臼、打撲及び捻挫などです。もちろん柔道整復を自費で行うのであれば、もう少し範囲は広げることはできそうだけど、やっぱり筋骨格系のトラブルが基本になるはずです。それに比べ鍼灸の適応症の範囲は広いです。なにより慢性症状に対応できるのがめちゃくちゃでかいです。

論文などを調べても、柔道整復に関するものは鍼灸に比べると圧倒的に少ないです。

整体の分野もこれと同じです。そもそも整体とはなにか? という明確な定義は僕の知る限りありません。●●式整体といったような個別の理論などは存在するようですが、整体を一つの手技療法として体系立てた理論は見当たりません。

日本でも施術者が多いカイロプラクティックやオステオパシーなどは、整体とは違って系統立てた理論が存在するようです。でも先に書いたように、今の日本では、誰でもそれらの施術者を名乗っても法的な問題がないのが現状です。

適応症が多く、そしてその根拠となるものも多い。そして国家資格。この立ち位置は、西洋医学に変わる選択肢(併用も含めて)として鍼灸の存在感がより増していく材料になると私は考えています。

 

鍼灸院で年収1000万を達成するには

鍼灸師の収入は一般的には高くありません。その理由はここまでに書いた通りです。でもその反面、柔整などにはないメリットもたくさんあるんで、それをしっかり生かしていければ高収入を得てやりがいある鍼灸院経営をすることは可能です。

実際に僕が主宰をする加藤会にはそういった先生がたくさん在籍されています。鍼灸師でも年収1000万は難しいことではありません。

ではどうやって年収1000万を実現させるのか?ですよね。これに関してはこのサイトの他の記事を参考にしてください

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