鍼灸院集客で最初にやるべきこと

あなたの鍼灸院に、自分にあった患者さんを集客していきたいと考えているのであれば、最初に取り組むべきことがあります。それはあなたの鍼灸院がどんな院なのかを明確にすることです。

ここは多くの先生がすっ飛ばしてしまいがちなことなのですが、めちゃくちゃ大事なことなので、絶対にやってもらいたいことです。この記事では、この明確にすることについてお伝えします。

 

 1.軸を明確にしないから繁盛しない

鍼灸院は大規模チェーン展開しにくいと前章で述べました。ということは多くの場合、小規模で他の大手施術院と戦っていく必要が出てきます。そこで最初に重要となるポイントは軸の設定です。

私が提案している鍼灸院の軸とは以下の3つを指します

  • 当院はこんな鍼灸院です
  • だからこんな人にぴったりです
  • するとこんなふうになれます

なぜこれらが必要なのかというと、結局のところ、世間一般の方は鍼灸院のことをよくわかっていないからです。人は自分にとって当たりまえのことは、ついつい説明しなくてもわかってもらえていると錯覚してしまいます。でも残念ながらあなたのことなんて誰も知りませんし、あなたがどんな治療をしているのかもよくわかっていません。

よくわからない施術に、わざわざお金と時間を掛けてくれと言われても、「はいそうですか」とは普通はなりません。だって誰も損はしたくないですから。だったらあなたがまずやるべきことは、3つの軸を明確にしてあなたの鍼灸院がどんな院なのかをわかってもらうことです。

ここで「鍼灸院経営の今後」の記事にて紹介したアンケートを再度引用いたします。鍼灸を受けるつもりがない人の理由として以下が挙げられていました。

  • 他の医療で十分・・・40・3%
  • 健康に自信がある・・・22・3%
  • 治療が痛そう(熱そう)・・・20・2%
  • 治療費が高そう・・・15・1%
  • 何にきくかわからない・・・13・5%
  • 効果を信じない・・・13・5%
  • 治療環境が非衛生的と思う・・・5・4%
  • 治療を受ける時間がない・・・4・3%
  • イメージが古くさい・・・3・2%
  • その他・・・5・2%
  • 不明・・・3・2%

引用・参考文献 医道の日本第751号(平成18年5月号)

ここで挙げられている、「痛そう」「何にきくかわからない」「効果を信じない」「非衛生的」などは、丁寧に説明することで覆すことは十分に可能です。しかし、覆すことが可能にもかかわらず説明を怠っているから、全部取りこぼしている鍼灸院が非常に多いのです。

こういったちゃんと説明さえすればわかってもらえるという状態を、できる限りなくすための施策が軸作りです。この軸作りは誰でも絶対にできます。なぜなら全部自分で決めることができるからです。だからちゃんと気合い入れて頑張れば誰でもできます。

誰にでもできるにもかかわらず、鍼灸院を含む多くの治療院でこれができていません。患者さんに来てもらえない鍼灸院には多くの原因が存在するでしょうが、そのうちの大きなひとつに、この軸の設定ができていないことが原因だと認識してください。

 

 2.当院はこんな鍼灸院です

私はあなたの鍼灸治療を受けたいとは、これぽっちも思いません。なぜならあなたや、あなたの鍼灸院のことをまったく知らないからです。あなたがどんな経歴や想いを持つ鍼灸師で、どんな治療をどんな場所を行っているのかを一切知らないからです。普通に考えて、そんな状態であなたの治療を受けたいと強く思えるはずがありません。

だから多くの患者さんに選んでもらいたければ、まずは自院がどんな鍼灸院なのかを明確にする必要があります。

あなたの鍼灸院を構成する要素は大きく分けて3つです。

  • どんな人が
  • どんな施術を
  • どんな場所で

この3つをしっかりと自分自身で見つめなおして掘り下げて考えていってください。では最初に「どんな人が」を考えていきましょう。

ここで少し余談を。私は以前、同僚だった鍼灸師の先生と、とあることで言い争ったことがあります。彼曰く「同じように治療すれば誰がやっても同じ効果が出るに決まっている」とのこと。私はこれに大いに反論しました。私もそうであったように、彼も頑固でした。お互い一歩を引かずにけっこう険悪な雰囲気になってしまいました。

もうかれこれ15~16年前の話になりますが、仮に今同じ議論をしたとしても、私はこの意見には賛同できません。さすがに年齢を重ねて物の言い方を覚えたので、当時のようにケンカ腰になることはないと思いますが…

私の意見は昔も今も変わらずに、こうです。治療は、結局最後は人が人に提供するものだから、「誰が」行うかはとてつもなく重要。「どんな治療」を受けるかよりも「誰から」受けるかのほうが重要だと考える人だって少なくない。

まえがきでも書きましたが、技術さえあれば繁盛すると考えている鍼灸師は多いです。そしてそういった人ほどこの「誰が」をないがしろにしがちです。さきほど登場した私の元同僚の先生のように、同じ治療をすれば誰がやっても同じ結果が出ると考えているからかもしれません。

何度も書いて申し訳ないのですが、ほとんどの人にそんなすごい技術なんてありません。物事は相対的な評価が基本ですから、そういった意味においてはほとんどの鍼灸師の技術はたいしたことないのです。技術は特段すぐれているわけでもない。誰がやっているかもわからん。これで戦っていけると思いますか? 私は無理だと思っています。

私の意見に共感できるのであれば、あなた自身がどんな人なのかを明確にしてください。あなたには無数のあなたを表すものがあるはずです。経歴、経験、外見、性別、年齢、考え方、性格、理念、使命、想い、などなど。

もしあなたにたいした実績などがないというのであれば、理念や想いなどこの先のことを熱く語ってみてください。どの世界にも実績あるベテランはいて、そういったベテランは支持される傾向にあります。

しかしそれでも、ベテランがすべてを牛耳る業界はそんなにありません。必ず若手が台頭しベテランを脅かします。そういった勢いのある新興勢力は、実績不足を理念や想いなどを明確に掲げることでカバーしています。だからあなたも実績がないと諦めずに、熱く未来を語ってみてください。きっとそれに共感してくれる患者さんは現れます。

どんな人が行うのかを明確にできたら、次はどんな施術を行うのかを明確にしていってください。先に紹介したアンケートに出てきた、「痛そう」「なににきくかわからない」「非衛生的」といった意見は説明すればわかってもらえるかもしれないことです。

非衛生的といった意見はその典型です。未だに鍼を使いまわしていると思っている人は多くいます。そういった不安を持つ患者さんに納得してもらうためには、説明する以外有効な手立てはありません。

  • ディスポ(使い捨て)鍼を使用していること
  • 鍼皿・鍼菅などの器具をしっかりと消毒していること
  • 施術者の手指、患者さんの患部の洗浄消毒を徹底していること

などなど、あなたにとっては当たりまえのことでも、鍼灸について予備知識の乏しい患者さんにとっては当たりまえではありません。

あなたの院の方針や、あなたの考え方に共感できないから来院しないのであれば、それは諦めがつきます。むしろそういう患者さんは、来ても大変なだけだから来てもらわなくて正解。でも衛生面など伝えればわかることなのに、それを怠ってしまったがために来てもらえないのであれば、それは相当もったいないことをしています。

だからわかるように説明してください。それだけで解決する問題は意外と多くあります。

「痛そう」という意見も鍼灸に対する典型的なイメージのひとつですから、ここの説明は必要です。痛くないのであれば、痛くないとはっきり告げなければなりません。そして逆に痛い場合もそれは伝える必要があります。

鍼灸を受けたくない理由が「痛そう」なのに、痛いと自分から告げるのはマイナスではないか? とあなたは思うかもしれません。確かに痛いのは絶対に嫌だという人にとってはマイナスに働くこともあるでしょう。

しかし、だからといってそれを告げずに来院したとして、結局痛いのであればその患者さんが続けて通ってくれる確率は低くなります。来なくなるだけならまだしも、あなたの院の悪口を言いふらす可能性だってあります。

だから痛いなら痛いとちゃんと告げる必要があります。ただしちゃんと理由を添えてください。理由もなく痛みに耐えなければならないのか、それともしっかりとした理由があって痛いのか、この両者は痛いという結果は同じでも意味は違います。そして意味を知ったときに「それなら痛くても仕方ないな」と納得してくれる患者さんは一定数います。

もっともやってはいけないのは情報を与えないことです。「治してやるから黙って俺の鍼を受ければいい」では今の時代、なかなか患者さんは納得してくれません。痛くないなら痛くないで、痛いなら痛いで、いずれにしてもその理由をしっかりと伝える。これが「どんな施術」なのかを伝えるということです。

どんな施術なのかを伝えることは、誤解の多い鍼灸では特に重要です。にもかかわらずなぜか他の手技療法と比べても、鍼灸で一番伝えられていないように私は感じます。

先にも書きましたが、あなたにとっての当たりまえと、患者さんにとっての当たりまえの間には乖離が存在します。だから鍼灸のことを知らない人でも理解できるように、丁寧にあなたが行う施術がどんなものなのかを説明しましょう。

最後は場所や施術環境についても明確にしてください。これも鍼灸院を選ぶうえで重要な要素になるからです。

外から中の様子がまったくわからない飲食店に入るとしたら緊張しませんか? 店内が汚かったらどうしよう。狭かったら嫌だな。自分が抱いているイメージと違っているかもしれない。などなどいろいろと不安な気持ちになるはずです。

施術者のことはわかった。施術そのものについても理解できた。良さそうなので受けたい。でもどんなところで受けるのかわからないと不安だな。と感じる人は大勢います。そういった方のためにどんなところで受けるのかもしっかりと伝わるようにしてください。

ここは多くの鍼灸師がもっとも疎かにしていることです。確かに、もっとも大事な要素は誰がどんな施術をするかです。しかしどんな場所なのかの情報だって大事なことには変わりないのです。

近年、美容鍼で成功している鍼灸院はこの「場所」の大事さを理解し、しっかりとイメージできるようにホームページなどで伝えている院が多いようです。美容鍼が比較的高単価でも運営していける理由は、美容関連であることが大きいですが、他の理由としては場所や環境も商品の一部としているからです。

技術はもちろんですが、場所や環境も価格に乗せることができます。高いと患者さんは来てくれない。という愚痴をこぼす前に、誰が、どこで、どんな治療をするのかを明確に伝える努力をしてください。そうすればきっと今より料金が高くなったとしても、それでもいいと言ってくれる患者さんが増えていきます。

 

3.だからこんな人にぴったりです

どんな鍼灸院かを明確にしたら、次は誰にぴったりかを明確にしていきます。ここを明確にする理由は、選ばれる理由を作ることと、自院に合わない患者さんが来てしまわないようにするためです。

選ばれる理由は、患者さんからみればその鍼灸院を選ぶ理由です。患者さんの多くは、自分には治療が必要だということは漠然と認識していても、果たしてどこにいけばいいのかがわかっていません。ましてや、いくつも病院や治療院に行ったことがあるけれども、いっこうに改善していない場合はなおさらです。

そんな状態にある患者さんに「この鍼灸院は私にぴったりだわ」と思わせることができればあなたの鍼灸院が選ばれる確率は格段に上がります。

鍼灸で対応できる症状は柔整などと比べると多く、これは大きなメリットになります。しかし、逆にそれら全部ができますと訴えてしまうと、どうしても特徴のない院になってしまい「私にぴったりだわ」感が薄れます。だから不安になるかもしれませんが「全部できるから誰でも来てください」という立ち位置には立たないほうがいいのです。

ここでは立ち位置と書きましたが、マーケティング関係の書籍などでよく書かれているターゲティングとほぼ同義語だと思ってください。よく事例として挙げられるのが、専門特化するという手法です。これがもっともやりやすいターゲティングです。

わかりやすくするために飲食店を例にしてみると、中華料理といったように料理のジャンルを絞るのが専門家することの第一歩です。しかしさすがに今の時代、かつての百貨店やデパートの上階にあった、どんな料理でも揃えている食堂のような店はほとんど見かけなくなりました。だからこれだけでは不十分です。

ここからさらに特徴を出していくには、もっと絞っていく方法が挙げられます。たとえば、ラーメン専門店にすると少し狭くなったのがわかると思います。さらに絞っていくと塩ラーメン専門といったようにどんどん専門性が上がっていきます。

またターゲティングは商品そのものを細分化するだけではありません。無農薬、減塩などの特徴を持たせることで、健康志向の方にターゲットを絞ることもできます。あとはシーン別でも特徴は出せます。ファミリー向けなのかカップル向けなのかでその店の立ち位置は大きく変わります。

飲食店の場合は、これらを組みあわせてどういった人にぴったりの店なのかを明確にして作り込んでいくことがターゲティングで成功する秘訣です。もちろんこれは鍼灸院でも同じ。

腰痛専門の鍼灸院といったように症状だけで絞り込むのも、ももちろん悪くありません。しかしそれだけではなく、他にもさまざまなことを考えてあなたの院の特徴としていくことができます。

病院で匙を投げられたような、難治性の病気や症状の患者さんに来てもらいたいというのもひとつのターゲティングです。その反面、そういった人ではなく病院に行くまでもないような症状の方を診ていきたいというのもターゲティングです。なんでも一発で治しますという院と、時間は掛かるけど難治性のものまで対応しますというのも、両者では立ち位置が異なるのがわかると思います。

いかにも鍼灸院といった典型的な院内で施術を受けるのか、高級ホテルのような場所で、接客なども最高の院で施術を受けるのかの違いもターゲティングになります。どちらが良い悪いではなく、それぞれにそれを好む人がいるのでどちらも正解なのです。ただターゲットが変わるというだけ。

どんな鍼灸院にするのがいいという答えがあるわけではありません。大事なことは、誰にぴったりなのか明確にすることです。一番やってはいけないのは、他とどう違うかがわからない。誰にぴったりなのかわからない。といったようにその他大勢と同じ状態の院になってしまうことです。これだけは絶対に避けるようにしてください。

 

 4.するとこんなふうになれます

どんな鍼治療かも明確にした。だから誰にぴったりなのかも決めた。そこで最後に明確にしてもらいたいのが、どうなれるのかという結果です。これも非常に大事です。

基本的に患者さんは「自分がどうなれるのか?」にしか興味がありません。あなたの鍼灸院に行って、治療を受けるとどうなれるのか? もっといえばどんな良いこと(メリット)があるのか? にしか興味がありません。そこにしか興味がないのに、それをしっかりと明確に伝えていなければ、その鍼灸院の魅力は半減してしまいます。

しかし鍼灸院のホームページなどを見ても、この結果に相当する部分が著しく不足している院はとても多いです。鍼灸治療についてはそれなりに書かれている。でも肝心のそれを受ける患者さんが、どうなれるのかがまったく書かれていない。いってみれば、自分よがりのサイトになっているのです。

業種は違いますが、フィットネスジムのライザップがわかりやすい例です。ライザップの広告はビフォーアフターを使うことで、結果を明確に示しています。「ライザップにいくと数か月で痩せてあんなふうに格好良くなれるんだ!」ということを、たった15秒やそこらのコマーシャルで強くイメージすることができます。

これがトレーニングメニューを伝えるだけのものであれば、おそらくその宣伝効果は小さかったに違いありません。見る側の見込み客は、そんなことよりまずは結果が知りたいのです。トレーニングメニューについて興味が湧くのは、どうなれるのかがわかったあとです。

「こんなふうになれるんだ! ところでどんなことするの?」というのが多くの人の頭の中での流れ。つまり結果がわからない状態での説明はあまり意味がないのです。

これはあなたの鍼灸院でも同じ。どうなれるかの結果がわからない状態で、つらつらと鍼治療のことについて説明しても興味がなかなかわかないし、納得もできない。なぜなら自分のこととして考えることができないからです。結果(自分にとってのメリット)がわかって初めて自分のこととして考えることができます。

鍼灸はまだまだ一般の方にとってはわからないことが多い施術です。よくわからない施術を受けることで、自分が得られる結果やメリットを想像しろといわれても、それはなかなか難しい作業です。だからこちらから「こんなふうになれますよ」という情報を出す必要があるのです。

いかがですか? 自院の軸を明確にすることの重要性はわかっていただけましたでしょうか?この章でお伝えした3つの軸については、拙著「一人治療院サバイバル」により詳しく書いていますので、ご興味ある先生はそちらを参考にしてください。

一人治療院サバイバル・平凡な一人治療院が生き残っていく唯一の方法

治療院7日間無料メールセミナー

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


無料7日間メールセミナー

今すぐ登録して受講する