治療技術に自信が持てずに経営難の先生へ

次回の予約を取るのが苦手だったり、高い自費メニューをすすめられないという治療家はけっこういます。僕自身、どっちかっちゅうとすすめらない側の人間なんで、その気持ちはけっこうわかります。

でもこれは商売するなら絶対に変えたほうがいいマインドであることは間違いありません。なぜならいたるところでこのブロックが壁になり、あなたの商売の邪魔をするからです。

あなたの商売の邪魔をするだけならともかく、往々にして患者さんの利益をも奪っている可能性すらあります。

ということで、今回はあなたの商売と患者の利益を奪うブロックについてお伝えします

あなたの治療院経営をジャマする二つのブロック

まずは、あなたの治療院経営を邪魔するブロックの主な原因について考えてみたいと思います。

こういったセールスに対するブロックは大きく分けて2つの理由があると僕は考えています。その二つとは

  • 商品に自信がない
  • セールスして嫌われるのが怖い

この二つです。ひとつずつみていきましょう。

商品に自信がない


商品に自信がないならしょうがない気もします。自分の治療に価値がないと思っているなら、そりゃ売ることを躊躇します、普通は。

んが、多くの治療家と接してきて思うのは、自分でハードルを上げているだけの場合も多いということです。たとえば「全員が絶対に治るわけじゃないし」なんて思考になっちゃうんですね。

そら、無理でしょうに。医療の不確実性という事実を、従事者であるあなた自身がしっかりと持てていないんですね

※医療と書きましたが、医行為だろうが、限定医行為だろうが、医業類似行為だろうが同じと考えています。そのへんの定義や法律についてはここで書くとややこしいので省略します

これは僕の考えになりますが、治療院は「患者の痛みや不調を治しますよ」と約束している業ではありません。ではなにをするところかというと「痛みや不調を治すためにできることをやりますが、結果はお約束できません。でも全力で取り組むことだけはお約束するので、その行為にお金を払ってね」という業なのです。

それを自分自身が理解しているかどうか。ここがポイントになります。もちろん患者さんに丁寧にそれを説明したっていい。そもそも全員を治すのなんてハナから無理なんだという出発点に立って、自分の考え(マインド)を持てていることが大事です。

自信が持てるターゲットに変更する


あと、本当に自信がないなら、自信の持てる分野にターゲットを変えるべきです。「病院に行っても治らなかった人」という患者をターゲットにしなきゃダメって決まりはどこにもないですからね。

僕自身、かつて経営していたリラクゼーションサロンはそんな考えからでした。簡単にいうと「治すの無理だわ。でもその場だけ気持ち良ければいいってのならできるわ」ってな発想です。

原因不明の難病を治します!と言えばそれに近い患者が来ます。でも、病院にいくほどではない肩こり腰痛の方にはぴったりです!といえばそういった難病の人は来ないでしょう。

つまりここなら自信を持って戦えるなというところで勝負すればいいわけなんです

なぜか治療院の先生は、来院された患者さんは全員治さないと! しかも1~2回で治さないと! と、謎の強迫観念にとらわれている人が多いように感じます。そんなの普通は無理です。

それができないから自信がないってんなら、もう誰も治療院なんて自信をもってできなくなります。

無理そうなら施術を断わりゃいいんです。病院や他の治療院に回せばいいんです。なんとかなりそうな人だけ相手をするようにしたら自然と自信も持てるようになります。

セールスして嫌われるのが怖い


セールスすると嫌われるんじゃないか? という不安をもっている治療家は多いです。だから通院に関しても自分からは「●●日に来てね」とは一切告げずに患者さんの自由意思にすべて任せにしてしまうなんて暴挙に出てしまうんですね。

この暴挙に対して「治療が良ければ勝手にまた来てくれる」ってな理由をあげる先生も少なくありません。

んが、不調の改善を目的としている治療院ならこれは完全な間違いです。次回の最適な通院日なんてのは患者さんにはわからないからです

これをやってしまうと結果的に、治療家と患者さんの双方にあまりよろしくない状況が生じます。

なぜなら、治療家側は患者さんが続けて通院しないから売り上げが伸びません。そして患者さんは、適切な治療を受ける機会を奪われることにつながります。だからこの考えのまま放置するのは本当によくない。

で、これのもっとも簡単な解決策は「セールスが嫌ならセールスしなきゃいい」ということになります。セールスじゃなく提案すればいいわけ。

僕の定義だけど「押し売りセールス」って相手の状況なんてのは一切無視して、こちらの都合だけで売ることだと思っています。それに対し提案は相手の都合が前提です。

つまり相手の状況を知る。そしてその状況に合った商品をすすめる。こうすれば多くの場合、押し売りにはなりません。

それでも押し売りになるようだったら、それは目の前に連れてくる段階でなんらかのミスマッチが生じているだけです。ここは新規集客の段階のことなので、また別の問題になります。

しっかりと問診して患者さんの解釈モデルを聞きだし、それに対して治療家であるあなたが治療計画を提案する。ここがちゃんとできれば、それは押し売りにはなりません。

逆にいうとそれができていなければ、いい技術があっても、患者さんのためであっても、崇高な理念があっても、押し売りになってしまう可能性が高くなる。

押し売りでない問診を学びたい先生はこちらを参考に

セールスは悪なのか?


前章ではセールスではなく提案をすればいい。と書きました。なので「セールス=悪」ととらえられたかもしれません。でも、僕はそもそもセールスが悪だとは思っていません。なぜなら、押し売りか提案かを別にしても、セールスがないと世の中回らないと思うからです。

服だって、PCだって、カバンだって、車だって、これらが僕の手元に届くまでにいろんな人がいろんなセールスをしています。その結果、僕はこんなにも豊かで幸せな生活ができている。これは厳然たる事実。

つまり、セールスなくして世の中全体の発展は見込めないと僕は思うんですね。そりゃその人にとって不必要な商品の場合だって結果的に出てきます。もうそれは仕方ない。なにごともトレードオフの関係にありますから。

商品に自信を持つ。それをセールスであれ、提案であれ、売ることは悪いことではない。この考え方ができると、ブロックも軽減されるはず。参考にしてくださいね。

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