整体院に新規患者さんを集客、集患するのは年々難しくなってきました。
単純に整体院を含む治療院の数が増えたことが主たる要因です。特に自費治療を行う整体院やカイロプラクティック院などの増加と、保険診療のみを行っていた整骨院が自費治療を行うようになったことが大きいです。
そうなると必然的に患者さんの奪い合いが起き、多くの治療院が集客などのマーケティングを学ぶようになりました。そして他のとの差別化や、顧客の囲い込みに力を入れるようになってきました。
このような状況になっては、特に都市部では漠然と整体院の看板を出して待っているだけでは、十分な数の患者さんを集めることができません。
僕のところに相談に来てくださる治療家がよく口にするのが、「かつては月に10名~20名集客できていたのに、今は数名程度まで落ち込んでいる」といった悩み。
なぜここ数年でこういった問題に直面する整体院、治療院が増えたのか? その具体的な理由は上記以外にもいくつか予想はされますが、それは一旦ここでは書きません。
それよりもまず、こんな状況になったからこそ整体院集客で絶対に抑えておくべき基本6つについてお伝えします。なぜならここを知ることがもっとも大事なことだからです。
整体院集客は言語化が第1ステップ
整体院の新規集客が難しくなってきたのは、競合が増えたことが主たる原因だ。と先に書きました。では、整体院にとっての競合とはどこになるでしょうか?
競合の考え方にもいろいろあって、直接的に競合しているケース、間接的に競合しているケースがあります。ただ、あまり広げ過ぎるとややこしいので、主に直接的な少し狭い範囲の競合で考えます。
狭い範囲で考えると競合は、他の整体院、整骨院、鍼灸院、マッサージ院、リラクゼーションサロン、病院といったことろ。
この競合(コンペチター)の中において、整体院の特徴は割高であることが挙げられます。
病院は原則として保険が効きます。整骨院も限定的ではあるものの保険が効きます。リラクゼーションサロンは激安店が増え時間単価は高くありません。
つまり、これらの競合の中で価格面においては整体院は集客の優位性が高くないのです。
マッサージ院や鍼灸院は自費の割合が多いので、価格競争ではほぼ同じともいえなくもないです。ただ、医師の同意書をもらって保険適用させることも可能なので、そういった意味では整体院がもっとも価格面では不利だといえるかもしれません。
そうなると、集客のために必要になってくるのが商品内容。わざわざ他と比べて高額な商品を売るわけですから、商品そのものの価値が問われます。
ただし、ここでいう価値とは絶対価値ではなく(そもそも絶対価値なんてあるのかわかりませんが)その患者さんにとって価値があるかどうかという意味です。
いずれにしても価値が問われるわけですから、「価値があるよ!」とこちらから教えてあげる必要があるのです。そこで最初に必要となるのが、「自分を知る」ということです。あなた自身があなたの整体院のことを知らなければならないんですね。
なぜ自分を知らないとダメなのかというと、自分でもわかっていないものがそう簡単に他人である患者さんに伝わらないからです。
だからまずは、自分で自分を知る。ここが大事なポイント。ここがわかって初めて、見込み患者さんへのアピールができるようになります。
つまり「ウチはこんな整体院ですよ、だから来てね」という明確なアピールができて、やっとこさ集客のスタートラインに立てるんですね。そうしないと、他より割高である分、選ばれにくい治療院になってしまいます。
ただ、この話をすると、「自分や、自分の院のことぐらいわかっている」といった反応が多いのも事実。たしかにそうです。自分ことぐらい誰よりもわかっていますよね。
でも実は多くの院では、自分でわかっているだけで、言語化ができていないんです。これじゃあ見込み患者さんに伝わらないからいつまでたってもあなたの整体院に集客できない。
しっかり言葉にできて初めてそれらが見込み患者さんに伝わり、そして最終的にあなたの整体院の集客につながります。
ということで、整体院集客の第一ステップは、自院を知りそれを言語化することです。
言語化については動画でも詳しく解説しています
整体院のチラシ集客もホームページ集客も数が大事
自院を知り、そしてそれを言語化することができれば、次はそれを知ってもらう段階です。ここでつまづく整体院のひとつの要因は「数」の意識です。
どんなに魅力的な言葉を並べたとしても、それを見る見込み患者さんの数そのものが少なければ、あなたの院に多くの患者さんが来ることはありません。
例えば、チラシを例にあげると、その成約率は良くても0.1%~0.3%ぐらい。これって、1000枚配ってやっと1人~3人来院してくれる計算です。大阪などの激戦区になると0.1%ですら非常に難しい状況と言えるかもしれません。
こんな状況にあるにもかかわらず、「数百枚ポスティングしたけど誰も患者さんが来ません。やっぱりチラシで集客できる時代ではないんだな」と、あきらめてしまう先生がいます。
これではなかなかうまくいかないんですね。そもそもの成約の想定が間違っていると言えます。
これはチラシに限らず、ホームページでも同じ。ホームページの反応率も良くて1%~2%といったところです。つまり100アクセスあってやっと一人集客できる計算。これは計測はしにくいですが、有効なアクセスに対しての数字ですので、実際にはもっと低くなるのが普通です。
その他も一緒です。紹介カードもそうだし、エキテンなどのポータルサイトもそう。DMだってそうです。ほぼすべての集客施策において、数が足らずにうまくいっていないという整体院がよく見受けられます。
つまり集客したければ、それに達する閾値のような数が必要だということです。
屋号が目立つ整体院は集客できずに暇になる
チラシ集客にしろ、ホームページ集客にしろ、うまくいっていない整体院のものを見ると、自分側に立ったメッセージが多いことに気づかされます。私が私が私がといった具合になっているんですね。
例えば、典型的な例がこんなチラシ。もっとも目立つ一番上にでかでかと院の屋号が書かれているチラシです。
そんなチラシをあなたも目にしたことはありませんか? 残念ながらこれらのチラシはほぼいい成果をあげることができません。
なぜなら、患者さんにとってあなたの整体院の屋号なんてのはどうでもいいからです。まず知りたいのはそこではない。あなたの院のことではなく、実際に痛みや不調で苦しんでいる自分に「どんなメリットをもたらしてくれるのか?」ってことなのです。
患者さんが知りたいことはいつだって自分のこと。自分にとってどんないいことがあるのか? この整体院にいけば、私にはどんな未来が待っているのか?
どこまでいっても知りたいことは自分に対することだけ。けっしてあなたの整体院名ではありません。だから、あなたの院に患者さんをわんさか集客したいのであれば、患者さんが
- どんなことで悩んでいるのか?
- どんなことに不満をもっているのか?
- どんな未来を手に入れたいと思っているのか?
これらをしっかりと把握する必要があります。
そうそう!私のことわかってくれている! といかに患者さんに思わせることができるかどうか、そしてそれを具体的な言葉にして伝えることが大事なのです。
ターゲット設定が整体院の集客数とリピート率に影響する
その2でお伝えした「数」もターゲットが決まっていなければ無駄打ちになってしまいます。
「大阪などの激戦区ではチラシで0.1%の反応率を出すのも大変だ」と書きましたが、ターゲットを設定できていなければ、1万枚まいて誰も来てくれないなんてこともあり得るのです。まさにドブにお金を捨てている状態。
また、その3でお伝えしたような「そうそう!私のことわかってくれている!」という状態にするには、ターゲットをしっかり設定していなければやはり難しいのです。
多くの治療院経営者と接してきて、この集客ターゲットの設定にてこずる先生がとても多いことに気づかされました。どうしてもターゲットを絞ってしまうと損しそうな気になるんですね。
例えば、整体院のチラシに腰痛のことだけしか記載しなかったとします。そうすると肩こりの治療だってできるのに、もったいない!肩こりについても記載すれば、腰痛も肩こりもどっちも来てくれるやん!と思ってしまうのです。
この気持ちはすごーくわかる。わかるんだけど、経験上そうしてしまうと、腰痛も肩こりもどっちも来ないという結果に終わることを僕はさまざまなクライアントを通して経験してきました。
もちろんここでは単純化しているだけなので、必ず症状を一つに絞れという意味ではありません。ターゲット設定はそれだけではありませんので。
今回の記事は新規集客についてスポットを当てたものになっています。しかし、実はこのターゲット選定はリピートにも影響を及ぼしていることでもあるのです。
簡単にいうと、あなたの整体院に合っていない患者さんを頑張って集めたとしても、その後ちゃんと通院してくれないんですね。これってあなたにとっても患者さんにとってもあまり嬉しいことではありません。
そういった意味も含め、整体院の集客にはターゲット選定が必要だと思ってください。
整体院に集客できないのは媒体が悪い?
ここまでお伝えしたきた4つの秘訣を意識してしっかり作りあげたものを、最後の最後でダメにするものがあります。それはどの媒体をどう使うかの選択です。
基本的に整体院の新規集客は、ホームページが中心です。※地域によって大きく異なります。
ただし、これはホームページだけで集客するという意味ではなく、最後に辿り着くのはホームページなので、ここはしっかり作り込むことが大事だという意味です。
ホームページに関しては以下の記事を参考にしてください
▼治療院のホームページってなに書けばいいの?
ホームページが中心になるからといってホームページだけを頑張ればいいのか?というと、そうではありません。できれば新規集客のルートはできるだけ多く持つべき。なぜかとうとそちらのほうが安全だから。そして多くの場合、ルートを多くもったほうが難易度が低いから。だからいくつかの集客ルートをさまざなな媒体で試しましょう。
そこで、やってしまいがちな失敗が、媒体の特性や層の無視。
例えば、20代~30代の女性が主な読者の情報誌に五十肩の宣伝をすることが、的確な判断でしょうか? おそらくもっと他のやりかたがありそうですよね?
CanCam(キャンキャン)に老人ホームの宣伝載せてもたぶん徒労に終わるでしょう。20代前半が読者層ですから、そんなことは関係ないのです。
つまり、その媒体の読者がどういった人かをまず考えるべき。
これをうまく使うことができれば、通常の何倍もの反応率を得ることも可能になります。自分のターゲットとする患者さんがどこに集まるのか?を考え、そこに広告を出すんですね。
僕のクライアントで、小児アトピーの治療をされている先生がいました。その先生は、アレルギーの子供用のお菓子や自然食品を扱う店にチラシを置かせてもらうことで、自身の整体院集客につなげていました。
アトピーの子供はどこに集まる?を考えた結果ですね。
また、年配の女性をターゲットにしている整体院の先生で、カーブス(50代~60代がターゲットのジム)やカルチャーセンターと連携して集客されている先生もいます。
これらはしっかりと営業する必要がありますが、どちらもうまくいけばとても質のいい患者さんを集めることが可能になります。
ここまでいかなくても、どの媒体の場合でもそれを見る人はどんな層の人で、どんなことを考えているのか?をしっかり意識したうえで集客宣伝していくと、反応率が大きく変わってきます。
整体院の集客方法=「結果」の提示である理由
整体院集客の6つめ、最後に意識してもらいたいのが、結果を具体的に伝えるということです。
これが壊滅的にできていない整体院が多いです。そしてそういった院は当然ながらあまり新患さんが来ない。
突然ですがあなたに質問です。こんなキャッチコピーのチラシがポストに入っていました。あなたならこの整体院にいきたいと思いますか?3秒だけ考えてみてください。
考えました?ほんなら次。
さて、あなたが腰痛で悩んでいる患者さんの立場だったとして、どっちの整体院に行きたいと思うでしょうか。実際のところはやってみないとわからないことです。でも、あらかた予想はつきます。これらのチラシを配った場合、おそらく後者のほうが集客できるはず。これはほぼ間違いないでしょう。
あなたはこの理由がわかりますか?
あなたはひょっとしたらこう思うかもしれません「ひとつ目のほうがカッコいい文言だから患者さんが来たくなりそうだ」と。実際、少なくない数の先生が、こういったカッコいい文言を整体院のチラシやホームページのヘッダーコピー(一番上の目立つところの文言)につけようとします。
で、まったく集客できない。
なぜ集客できないのかというと、読み手である患者さんが「自分がどうなれるのか」がわからないからです。「どうなれるのか」すなわち結果です。ありのままを伝える整体と言われても、なにがなんだかわからないですよね。
これが小説などの読み物であれば、それもアリでしょう。もしくはあなたの整体院のブランディング(イメージアップのようなもの)のためならば、まだいいかもしれません。でもすぐに集客したいのであれば、これではダメなのです。
先にも書いたように、人は自分に関係があるのか?そして自分にとってどんないいこと(メリット)があるのか?しか常日頃考えていません。特に情報が氾濫する現代においては、その傾向は顕著になっていると予想されます。なぜなら自分にとってメリットのなさそうな広告までいちいち目を通していたら、時間がいくらあっても足らないからです。
だから、まずはその人のメリットに直結する「結果」、ここでの事例でいうと「手術しかないと宣告された重度の腰痛も解決します」がこれにあたります。こういった具体的で明確な結果をしっかりと告げることが効果的なんです。
整体院の新規集客は結果を言う。話はそれからだ
このように整体院など治療院の新規集客は結果をしっかり提示できないと、集客はかなり苦戦します。
こうなります!と、どれだけ言い切れるか。こんなふうになれるんだ!と、どれだけイメージさせることができるか。これって整体院の新規集客にとって本当に大事。そしてその順番も早い段階がベターです。なぜなら見込み患者さんはせっかちだから。
たとえば、ホームページで、坐骨神経痛の患者を集客するとします。となると一番おすすめは、坐骨神経痛の症状ページを作ること。ここに優良なアクセスを流すことで、来院へとつなげていくことが可能です
で、ここでよくやってしまいがちな失敗が、坐骨神経痛とは~って始めちゃうこと。これはやらないほうがいいのです。なぜなら、そんなもんに興味はないんです。
いや、興味ないは言い過ぎでした。興味がないことはない。でも、先に知りたいのは坐骨神経痛のメカニズムではなく「治る」のかどうかなのです。そのページに坐骨神経痛について書くのはいいですよ。むしろSEO的に大いに書くべき。でも最初に書くことではないんですね。もっともっと後のほうに書けばいいのです。
っちゅうことで、あなたのサイトもチェックしてみてくださいな。
「結果」を提示できていますか?
「結果」をイメージさせられていますか?
「結果」の提示を早目にできていますか?
結果を提示され、それが欲しいと思ったときに見込み患者さんはそのサイトをしっかり読んでくれます。だってその結果が欲しいんだから。
でも結果だけでは整体院に集客できない
「結果の提示」は、ホントにめっちゃ大事です。ただ、そこで止まるとダメなんですね。なぜなら、その結果が魅力的であるほど患者さんはこう思います。
なんで?ホンマに?
たとえば、こんなことが整体院のホームページにデカデカトと書かれていたとします。「ハゲ整体でボーボーになれます!」と。
僕なら絶対にそのサイトに興味わきますよ、奥さん。ワタクシ、ボーボーになれるなら悪魔に心を売る覚悟だってできてますから。でもね、外見はハゲてても中身は正常だから考えるわけ。なんでハゲが治るのよ?って。
で、その疑問に納得のいく回答がなければ、さすがにその商品(整体)を買いません。つまり、「結果の提示」することでつかみとしてはオッケーなんだけど、その次がないと結局は成約にはいたらないのです。
そう。結果を示したなら、その次は「なんで?」や「ホンマに?」に答えないとダメなんです。
これができていない治療院も多いんです。当院で腰痛が治ります!ってなところで止まっちゃう。その次のなぜ治るのかの説明や証拠がない。これじゃあやっぱり多くの患者さんは納得しません。不安だからなかなか買おうと思えないんですね。
「なんで?」と「ホンマに?」に答えると整体院集客がうまくいく
「なんで?」には理由を「ホンマに?」には証拠を提示することで答えていきます。
前セクションの例を使うと「ハゲ整体でボーボーになれます!」という結果を提示したなら、なぜそんなことができるのかを伝えていく必要があるっちゅうことですね。
- アメリカの研究機関で呼吸が浅いと薄毛になるという研究結果がある
- ホルモンバランスの乱れが薄毛の原因という論文がある
- 動物実験レベルですでに●●が薄毛に効果があると判明している
※上記はすべてデタラメに僕が書いたものです
こういったエビデンスを元に
- 呼吸を深くするためにこういった施術を行う
- ホルモンバランスを安定させるために首の調整を行う
- 施術以外にも必要な食事指導とエクササイズを教える
だから解決するんですよと、なぜボーボーになるのかを説明するんですね。この説明に納得すればその患者さんは来院に一歩近づきます。
そしてこの理由説明と合わせて提示したいのが証拠です。
- ビフォーアフターや客観的なデータ
- 患者さんの声やレビュー
- メディア実績
- 権威者からの推薦
などがこれにあたります。
ライザップなどはビフォーアフターの一番わかりやすい例ですよね。●か月でこうなれますよ!と結果を提示し、実際のビフォーアフター写真を見せる。もうこれだけでっちゃあこれだけです。サイトを見ればもっと細かい説明もありますが、もっとも強力なのはビフォーアフターという証拠を突き付けていることです。
「なんで?」に答える理由は、実は読んでくれないことがよくあります。特に最近はスマホの普及もあってか、長い文章があまり読まれなくなってきたといわれています。代わりに動画や画像でパッとみてすぐ判断できるもので訴求するほうが成果があがりやすくなってきているんですね。
ハゲ整体であれば、ツルッパゲ からボーボーになっている証拠写真をこれでもかっ!と掲載すればないよりもすごい証拠になるんですね。だってみんなボーボーになりたくてその整体を受けるわけですから。
っちゅうことで、まずは結果を提示する。そして次は理由や証拠で答えていく。これが整体院など治療院の新規集客にとって重要な要素になります。あなたのホームページなどにこれらがしっかり書かれているかをチェックしてみてくださいな。
以上、整体院の新規集客を成功させる6つの秘訣をお伝えしました。秘訣と書きましたが、基本になります。すみません大げさなタイトルで。
巷には多くの治療院集客ノウハウやハウツーが転がっています。それらをマネすることは大事です。そこは否定せずに大いにおすすめします。ただ、基本を知ったうえでマネするのと、基本を知らないでマネするのでは、結果に大きな違いがでてきます。
だから同じノウハウを実践しても、うまくいく先生とうまくいかない先生がいるのです。
また、仮にうまくいっても、たまたまの場合はそこから先はないわけですから、一過性の繁盛にとどまってしまう。そうならないために、今回の記事でお伝えした、集客の基本は是非とも頭に入れておいてください。
そして、たまたま成功したではなく、成功するべくして成功したを目指してくださいね。
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