以前は月に10人、20人と来ていた新規の患者さんが、今は数人しか来ない。チラシもホームページもやっているのに反応がない。調べてみると「整体院の集客方法13選」のような記事がたくさん出てきて、全部やらなアカンのかと途方に暮れる。僕のところに相談に来る先生から、いちばんよく聞く悩みです。
一人でやっている整体院が、集客手段を13個も同時に回すのは無理です。大事なのは、手をつける順番と、どの手段を使っても効く基本を押さえることなんですね。この記事では、一人整体院が集客に取り組む順番(ホームページ→MEO→検索広告)と、チラシでもホームページでも共通する6つの基本をお伝えします。
僕は治療院専門のコンサルタントで、自分でも整体院とサロンを経営していました。この記事は2021年に書いたものを、2026年時点の検索の状況と法律に合わせて全面的に書き直しています。
整体院の集客が難しくなった理由
整体院の新規集客が年々難しくなっている一番の理由は、競合が増えたことです。自費の整体院やカイロプラクティック院が増えたうえに、保険だけでやっていた整骨院も自費メニューを出すようになりました。同じ患者さんを取り合う院が、どの地域でも増えています。
そのなかで、整体院には不利な点がひとつあります。価格です。
病院は保険が使えます。整骨院も、ケガであれば保険が使えます。鍼灸院やマッサージ院も、医師の同意書があれば保険を使える場合があります。リラクゼーションサロンは、時間あたりの料金がかなり安い店も増えました。このなかで保険がまったく使えず、料金も安くないのが整体院です。
つまり整体院は、価格で選ばれることはほぼないんですね。選ばれるとしたら、「ここなら自分の悩みをなんとかしてくれそうだ」と思ってもらえたときだけです。だから整体院の集客は、自分の院の価値を患者さんに伝えるところから始まります。
整体院の集客は「数×内容」の掛け算です
集客の話に入る前に、ひとつだけ頭に入れておいてほしい考え方があります。新規集客は「数×内容」の掛け算でできている、ということです。
数というのは、あなたの院の情報を見る人の数です。チラシなら配った枚数、ホームページならアクセス数、Googleマップなら表示回数ですね。内容というのは、見た人に「行ってみたい」と思ってもらえる中身があるかどうかです。
掛け算なので、どちらかがゼロなら結果はゼロです。どんなにいいホームページを作っても、アクセスがなければ誰も来ません。逆にアクセスがいくらあっても、何をしてくれる院なのかが書いていなければ、やっぱり来ません。
そして、この掛け算の中身には順番があります。まず院の存在を知ってもらう(認知)。次に、どんな院なのかを正しく理解してもらう(理解)。そのうえで、伝え方を工夫する(見せ方)。

集客に悩んでいる先生の多くは、3番目の見せ方から手をつけます。キャッチコピーを変える、ホームページのデザインを変える、といった具合です。でも、そもそも見られていない、見られても何の院かわからない状態で見せ方だけ変えても、ほとんど変わらないです。
ここから先の6つの基本は、この「数」と「内容」のどちらかを増やすための話です。
集客の基本1:自分の院を言葉にする
最初にやってほしいのは、自分の院がどんな院なのかを言葉にすることです。
この話をすると、「自分の院のことぐらいわかってる」と言われることが多いです。たしかにそうなんですね。誰よりもわかっているのは先生自身です。でも、わかっていることと、言葉にできていることは違います。頭の中にあるだけでは、見込みの患者さんには伝わらないんです。
試しに、「先生の院は、どんな人が、何に困って来るところですか?」と聞かれて、一文で答えてみてください。すぐに出てこなければ、チラシにもホームページにも書けていないはずです。
言葉にするときに気をつけてほしいのは、どこの院でも言えることを書かないことです。たとえば「根本改善」という言葉は、今は大手のチェーン院がこぞって使っています。同じ言葉を使うと、資本力のある院と真正面から比べられることになるので、僕はおすすめしません。
言葉だけで伝えきれなくても、ホームページの写真や雰囲気でも伝わる部分はあります。白衣を着た先生が東洋医学の本を背に写っていて、「病院では原因がわからなかった不調に、東洋医学の考え方で向き合います」と書いてあれば、それだけで立ち位置は伝わりますよね。
集客の基本2:来てほしい患者さんを決める
次に、どんな患者さんに来てほしいかを決めます。ここで手が止まる先生は本当に多いです。絞ると損をする気がするからです。
たとえば、チラシに腰痛のことだけを書くとします。すると「肩こりも診られるのにもったいない、肩こりも書いたら両方来るやん」と思いますよね。この気持ちはすごくわかります。でも、僕がこれまで見てきた院では、腰痛も肩こりも頭痛も並べたチラシは、どれも来ないという結果になることが多かったです。
もちろん、症状を必ずひとつに絞れという意味ではありません。「病院に行っても変わらなかった人」「薬に頼りたくない人」のように、症状以外で決める方法もあります。大事なのは、読んだ人が「これは自分のことだ」と思えるかどうかです。
来てほしい患者さんを決めることは、新規の数だけでなく、リピートにも影響します。院に合わない患者さんを頑張って集めても、その後は通院が続かないことが多いからです。
僕のコンサルを受けている先生のなかには、新規は月10名以下、予約枠の稼働は2〜3割なのに、月商100万円を超えている先生もいます。この先生は、予約の前に面談をして、自分の院に合うかどうかを確認してから受け入れています。合わない方にはお断りすることもあるそうです。合う患者さんだけが来るので、ちゃんと通ってもらえるんですね。
集客の基本3:屋号ではなく、患者さんのことを書く
うまくいっていないチラシやホームページを見ると、院の話ばかりになっていることがよくあります。典型的なのが、いちばん上にでかでかと院の名前が書いてあるチラシです。
患者さんにとって、院の名前はあまり重要じゃないんですね。知りたいのは、痛みや不調で困っている自分に、その院が何をしてくれるのか、です。
だから書く前に、来てほしい患者さんについて考えます。
- どんなことで困っているのか
- これまでどこに行って、何に不満を持っているのか
- どうなりたいと思っているのか
これを患者さんの言葉で書けると、読んだ人は「そうそう、私のことわかってくれてる」と感じてくれます。問診で患者さんが実際に口にした言葉をメモしておくと、そのまま使えることが多いです。
集客の基本4:結果を示して、「なんで?」「ホンマに?」に答える
4つ目は、院に来たらどうなれるのかを示すことです。ここができていない院は本当に多いです。
たとえば「ありのままのあなたに寄り添う整体」というコピーは、雰囲気はありますが、腰痛で困っている人には自分がどうなれるのかがわかりません。患者さんは、自分に関係があるか、自分にどんないいことがあるかしか見ていないので、読み飛ばされます。
では「どんな腰痛も1回で治します」と書けばいいかというと、これはこれで問題があります。
整体は国家資格ではないので、あはき法や柔整法の広告制限はかかりません。でも、景品表示法はすべての事業者にかかります。実際よりも著しく優れていると思わせる表示(優良誤認表示)は禁止されていて、消費者庁から表示の裏付けとなる合理的な根拠を出すよう求められ、出せなければ違反とみなされます(景品表示法第5条第1号・第7条第2項)。「1回で治る」「手術しかないと言われた腰痛も解決」といった書き方は、根拠を示せなければ危ないということです。
なので、結果の示し方はこう考えてください。
| 避けたい書き方 | こう書く |
|---|---|
| どんな腰痛も1回で治します | 長く続く腰痛で、座っているのがつらい方が多く来院されています |
| 手術しかないと言われた腰痛も解決 | 病院で「様子を見ましょう」と言われて、何をすればいいかわからない方へ |
| 施術実績◯万人(数えていない数字) | 開院から◯年、この地域で施術を続けています(事実のとおりに) |
右側の書き方も、事実であることが前提です。来院している患者さんの実態と違うことは書かないでください。
結果を示したら、次に必ず出てくるのが「なんで?」と「ホンマに?」という疑問です。魅力的な結果ほど、読む人は疑います。
「なんで?」には理由で答えます。なぜその施術で変化が期待できるのか、どんな考え方で、どんな順番で施術するのかを説明します。「ホンマに?」には証拠で答えます。患者さんの声、施術の前後の変化、院で実際にあった事例などです。
患者さんの声を載せるときは、実際の患者さんの言葉を、本人の了解を取ったうえで載せてください。お礼を渡して書いてもらった口コミを、それとわからない形で載せるのは、2023年10月1日から景品表示法の規制(いわゆるステマ規制)の対象です。Googleの口コミの集め方は、治療院のMEO対策の記事で詳しく書いています。
集客の基本5:媒体は「誰が見るか」で選ぶ
ここまでしっかり作っても、最後にダメにしてしまうのが媒体の選び方です。
20代の女性が主な読者の雑誌に、五十肩の広告を出すのはあまり意味がないですよね。極端な例ですが、これに近いことをしている院は意外と多いです。媒体を選ぶときは、その媒体を見ているのがどんな人かを先に考えます。
僕のクライアントで、子どものアトピーを診ている先生がいました。この先生は、アレルギーのある子ども向けのお菓子や自然食品を扱うお店にチラシを置かせてもらって、集客につなげていました。「アトピーの子どもを持つ親はどこに集まるか」を考えた結果ですね。
年配の女性を主な患者さんにしている先生で、中高年向けのフィットネスジムやカルチャーセンターと連携していた方もいます。どちらも営業に足を運ぶ手間はかかりますが、うまくいくと、院に合った患者さんが来てくれます。
集客の基本6:数が足りているかを疑う
6つ目は数です。集客がうまくいかない原因は、内容よりも数が足りていないことのほうが多いです。
チラシで考えてみます。僕の見てきた範囲では、チラシの反応は良くて0.1〜0.3%くらいです。1,000枚配って1〜3人来てくれれば上出来、という計算です。それなのに、数百枚ポスティングして誰も来なかったから「今はチラシの時代じゃない」とやめてしまう先生がいます。これは想定の数が合っていないんですね。
逆に、300枚配って2人来たなら、そのチラシは当たりです。ほかの方法を探すより、同じチラシを倍、3倍と配ったほうが早いです。月に2人でも新規が来ているルートがあるなら、ゼロから新しいルートを作るより、まずそのルートを伸ばせないかを考えてください。
ホームページも同じです。反応は良くても1〜2%くらいなので、100アクセスで1人来るかどうかです。チラシの作り方は整体院のチラシの作り方に、お金をかけずにできる方法は治療院にお金をかけずに集客する方法にまとめています。

一人整体院が集客に手をつける順番
ここまでの6つの基本は、どの集客手段にも共通する話です。では、一人でやっている整体院は、どの手段から手をつければいいのか。僕が今から一人で整体院をやるなら、この順番でやります。

1. ホームページをしっかり作る
最初はホームページです。チラシで知った人も、Googleマップで見つけた人も、最後はホームページを見て行くかどうかを決めます。ここが弱いと、ほかの集客が全部もったいないことになります。
作る順番は次のとおりです。
- コンセプトを決める(基本1と基本2の内容)
- 基本のページを作る(院の紹介・料金・アクセス・予約方法)
- 症状のページを作る(腰痛、肩こり、頭痛など、来てほしい患者さんの悩みごとに)
- 症例のページを増やしていく
最低でも3番の症状ページまでは作ってください。ここがないと、SEOでもMEOでも広告でも苦戦します。4番は時間がかかるので、少しずつでかまいません。ホームページに何を書けばいいかは、治療院のホームページに書くべきことでも解説しています。
2. MEO対策(Googleビジネスプロフィール)
次はGoogleマップです。「地域名+整体」で検索したときに出る地図の枠に、自分の院を出すための対策です。Googleビジネスプロフィールの情報を全部埋める、口コミを集めて返信する、投稿で更新を続ける。やることはほぼこれだけで、業者に頼まなくても自分でできます。
2026年の今も、MEOは一人院が真っ先にやるべき集客です。やり方は治療院のMEO対策|自分でやる8つの手順に全部書いています。
ホームページとMEOをしっかりやれば、地域や競合の強さにもよりますが、それだけで一人院に必要な新規の数をまかなえる可能性があります。
3. 足りなければ検索連動型広告
それでも新規が足りなければ、広告を使います。僕が最初に選ぶのは、GoogleやYahoo!の検索連動型広告です。「◯◯市 腰痛」のように検索したときに、いちばん上に出る広告ですね。
インスタグラムやYouTube、Facebookの広告でも集客はできます。ただ、こちらは見ている人の画面にこちらから広告を出すものです。検索連動型広告は、自分で悩みを検索した人にだけ出ます。だから、自分の体のことを真剣に考えている患者さんが来やすく、リピートにもつながりやすい傾向があります。
広告費の目安は、売上の10%くらいです。月商50万円なら月5万円ですね。一人の患者さんを集めるのにかかった費用と、その患者さんが通ってくれる金額を比べて、合っていれば続け、合っていなければ止めます。
4. ホットペッパービューティーは条件つき
ホットペッパービューティーは、2026年も集客力のある媒体です。ただ、一人院なら、できれば使いたくない媒体でもあります。掲載費がかかるうえに、特に人口が多い地域以外では費用に見合わないことが多いからです。やらなくてもまったく問題ありません。掲載するかどうかの判断基準は、整体院のホットペッパー集客は割に合う?で詳しく書いています。
5. チラシ・紹介・SNSは補助のルートに
チラシ、患者さんからの紹介、インスタグラム・スレッズ・YouTubeなどのSNSは、どれもちゃんとやれば集客のルートになります。整体は国家資格の広告制限がないので、チラシや看板も使いやすいです。ただ、一人院がこれを最初の柱にすると、手が回らなくなりがちです。ホームページとMEOができてから、どれかひとつを選んで育てるくらいでちょうどいいです。
ルートはひとつより複数あったほうが安全です。流行りの媒体はいつか飽和するし、ひとつのルートが止まったときに院が止まってしまうからです。
最近は、ChatGPTやGoogleのAIによる回答から院を探す人も増えてきました。この対策を業者はAIO、LLMOなどと呼んでいますが、今のところ、やることはホームページとMEOをしっかりやることとほとんど変わりません。新しい名前の対策を売り込んでくる業者には気をつけてくださいね。
新規が少なくても回る院は、リピートで決まる
最後に、集客の話とは逆のことを言っておきますね。新規集客は、外部の影響をすごく受けやすいんです。近くに大きな院ができた、Googleの仕様が変わった、広告費が上がった。どれも自分ではどうにもできません。
だから、新規だけに頼る経営は安定しないです。基本2でお伝えした先生のように、新規が月10名以下でも月商100万円を超えている院は、来てほしい患者さんを集めて、問診と説明でしっかり通ってもらえる仕組みを持っています。新規集客とリピートは、別々の話ではなくセットなんですね。
通院中の患者さんに離れず来てもらうための連絡の取り方は、治療院のLINE公式アカウント|登録の取り方・配信の型・プラン選びにまとめています。
集客しても患者さんが来ない、そもそも院が何をするところか伝わっていない、と感じている先生は、あなたの治療院が集客できない理由も読んでみてください。
どんな患者さんを集めて、どう問診し、どう通ってもらうか。一人治療院が週休2日をとりながら月商100万円を実現するためにおさえるべき本質を、無料の動画セミナーで解説しています。メールアドレスの登録だけで見られますので、集客の先まで整えたい先生は参考にしてください。
⇒ 週休2日で月商100万 楽しく治療院を繁盛させる方法(無料動画セミナー)
この記事の要点
- 整体院は保険が使えず、価格で選ばれることはほぼない。だから院の価値を伝えるところから集客が始まる
- 新規集客は「数×内容」の掛け算。認知→理解→見せ方の順で、見せ方から手をつけない
- どの手段にも効く6つの基本は、自院を言葉にする・来てほしい患者さんを決める・患者さんのことを書く・結果と理由と証拠を示す・媒体は見る人で選ぶ・数が足りているかを疑う
- 「1回で治る」のような根拠を示せない表示は景品表示法の優良誤認にあたるおそれがある。整体院にも景品表示法はかかる
- 一人整体院は、ホームページ→MEO→検索連動型広告の順で手をつける。広告費は売上の10%が目安。ホットペッパーやSNSは条件つき・補助のルート
- 新規が少なくても回る院は、院に合う患者さんを集めてリピートにつなげている
この記事で使った資料(2026年9月24日閲覧)
・優良誤認表示と不実証広告規制:消費者庁「優良誤認とは」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/
・ステルスマーケティング規制(2023年10月1日施行):消費者庁「ステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
・チラシとホームページの反応率、広告費の目安、クライアントの事例:著者のコンサルティング経験による(2021年の旧記事、YouTube「加藤やったらどうする:新規集客」「新規少ない」、メルマガ「2026年の集客はこれがおすすめ」の内容を再構成)
・検索上位の記事の傾向:2026年9月24日に「整体院 集客」をGoogle検索した際の上位記事
