【治療院経営】治療業界特有の考えからの脱出

治療院の集客経営がうまくいっていない先生のひとつの特徴に、できない理由、やらない理由だけはうまい。ってのがあります。

よく聞くのが「治療院ではそれは難しい」と、自分のせいではなく業界のせいにしちゃうヤツ。聞いてると超ムカつきます。あなたがもしもっと繁盛させたい、楽しくやりがいのある治療院経営をしたいならそうはならないでください。

「治療院では難しい」から「治療院でもできるかも」に考え方をシフトし行動すると、意外に成功しちゃうことあります。この記事を読んで柔軟な頭に変えていけるようにすれば、あなたの治療院経営ももっともっと違った発展をする可能性が増えます。それに魅力を感じるなら読んでくださいな。

治療院業界は特殊なのか?


僕はかつてさまざまな業種の方が参加するセミナーとか交流会によく出席していました。そこで「ウチの業界は特殊だから」と、業界の特殊性をうまくいかない理由にする人が多く存在しました。

治療院業界でもこの手の発言をする人とよく出会います。「他の業種ではできるかもしれないけど治療院じゃ無理だよ」ってな発言をして、それをやらない理由、できない理由にしちゃう先生ですね

冒頭に書いたように僕はこれがすこぶる嫌いです。

確かにどの業界にだってその業界特有の慣習や変な決まりってあります。なぜかみんながそうやっているなんてのもある。だから思うのは仕方がありません。

でも「治療院業界では誰もやっていないからやらない」という選択をするか、「治療院業界では誰もやっていないのに異業種では当たり前のようにやっている」これはチャンスだ!と考えるかで結果は変わります

もちろんなにごともそうそううまくいかない。たぶん失敗することのほうが多い。ダメなのは、ここで考えを硬直化させなにも行動しないという選択をすることだと思っています。そう、「うまくいかないのは俺のせいじゃない、業界が特殊だからだ」ってな考え方。負け組一直線ですな。

 

南の島の靴のセールスマンの物語


マーケティングの勉強を少しでもしたことがある人なら誰でも知っている、ある島に派遣された2人のセールスマンの物語をご存じですか?

ある南の島に靴を売るために2人のセールスマンが派遣されました。わかりやすいようにスネ夫君とジャイアン君にしましょう。

スネ夫君は島民を見てびっくりします。なんと誰も靴をはいていないからです。スネ夫君は言いました「誰も靴はいとらんやんけ!」で、本社の上司に連絡します「部長、この島では誰も靴をはいていません。ダメです、売れるはずないです」と。

たいするジャイアン君も島民を見てびっくりします。「誰も靴はいとらんやんけ!」とスネ夫君と同じことを叫んだ。で、本社の上司に連絡します「部長、この島では誰も靴をはいていません。チャンスです、いくらでも売れます」と

うん。スネ夫とジャイアンが見た光景は同じでも捉え方はまったく違いますよね。実際のところどちらの見立てが結果的に正解なんてのはわかりません。でも少なくともスネ夫で止まってしまうとなにも始まらないってのは確かだと僕は思います

では3人目ののび太。

 

のび太は島民を見て「誰も靴はいとらんやんけ!」と、びっくりします。これはひょっとして靴が売れるかもと考え、島民を詳しく観察しました。すると足は傷だらけで明らかに怪我をしている人もいる。

そして島民を集めて説明をした。「僕のはいている靴を使えば足を怪我をすることはないし、もっとたくさん働けてもっと稼げるようになる。10ドルで提供できるけど欲しいと思う人はいますか?」と。したらば島民の約半数が買いたいと意思表示を示した。

のび太は本社の上司に「部長、この島では誰も靴をはいていません。だから怪我をしたり作業効率が落ちたりして問題を抱えています。島民に聞き取り調査をしたところ、半数が10ドルなら購入したいと言っています」と連絡いれた。

 

これを読んでどう感じますか? さっき書いたように結果的に誰の判断が会社に利益をもたらすかはわかりません。

なにをやっても売れなければスネ夫がもっともムダ金を使わないで済むでしょう。なんの説明もリサーチもなしに靴がバカ売れするならジャイアンがもっとも利益が出るかもしれません。そう、結果はわからないんです。でも現状維持は衰退と同義語。だったらスネ夫にだけはなっちゃダメだなーと僕は自戒を込めて考えています。

 

業界の当たり前を壊して躍進したイオン


「ウチの業界は特殊だから」という半ば思いこみのような決まりごと黙って従うか、それともそこにこそチャンスが眠っていると考えるか、この両者の違いは大きいです。

たとえば葬儀屋がいい例です。かつてお葬式は料金が不明確な業者が多かったようです。本当に頼んでみないとわからないといった状態だったといいます。そこで、依頼してみたら最終的にどんどん追加料金でとても高くて驚いた、そんな事例も。

それが葬儀屋業界では当たり前のやり方だったんですね。だから疑問も持たずにそのまま続けてきた。でも逆にそこをビジネスチャンスと捉えたイオンなどが、料金を明確にして参入し、どんどんシェアを奪っているのが今の業界の流れです。

実際にはイオンがやっていることはほぼ仲介業で、消費者と葬儀屋さんの間に入っているだけなんですね。言い方は悪いかもしれませんが客を集客してあとは地元の葬儀屋さんに投げる。そしていろいろとピンハネして儲ける。

このイオンなどがやったことって、他の業界では当たり前のことです。料金を明確にして消費者に事前に安心してもううことなんて特に珍しいことではありませんし、マッチングビジネスもさまざまな業種で行われていることです。

 

治療院業界で増加するフロントエンド商品


治療院業界でもかつてほとんど存在しなかったけど、今はいたるところで見かけるようになった手法があります。それは、初回施術を通常価格より割引いて受けてもらう手法です。マーケティング的にはフロントエンドと言います。

これは、初回は利益が出なくてもいいからとにかく集めて、2回目以降に利益を出していくという手法です。他業種では当たり前のようにやっていること。たとえばエステなんかだとかなり前からこのやり方で大きな利益を上げています

少し前まで治療院ではほとんどやっていませんでした。もちろん保険診療はそんなことできませんよ。保険診療を勝手に値段変えちゃダメですから。こういった法的な縛りがある場合はやらないでください。

でも整体院などでもあまりやってなかったんですね。「治療院は特殊な業界だから、そんなことしても患者さんに胡散臭いと思われるだけだ!」という考えが固定観念としてあったのかもしれません。

それが今じゃこの手法を取り入れている治療院は本当に多くなりました。都市部では特にそういう治療院に患者を奪われて苦しんでいる院も多いはずです

この手法にさまざまな意見があるでしょう。なにも唯一の手法とは僕も思っていません。「あなたも初回割引をしろ!」という意味ではないので、その点はご理解ください。

でも経営的な手法としては有効な方法のひとつであることは確かです。だってそれで大きく利益を伸ばしている治療院が存在するわけですから。

 

治療院業界にもイオンがやってくる?


今回の記事でイオンの葬儀屋さんの例をあげました。実はこの記事を最初に書いたのは2015年で、今読んでもらっているのはその記事のリライト。2015年当時は葬儀業界に参入する大手はイオンぐらいでした。でも今は続々と大手が葬儀屋業界に参入し、多くの中小葬儀屋がそれらの下請けになってしまっています。

下請けが悪いというわけではありませんが、利益率が低い仕事を泣く泣くこなして疲弊していっている会社が多いのも事実です

治療院はイオンがないから大丈夫だと思いますか?

僕がこの業界に足を踏み入れたのは1999年。この段階では全国チェーン展開をするような院はあまりなかったです。少なくとも僕は記憶にない。

でも今はどうでしょうか? 治療院と呼んでいいかはわかりませんが、整体やリラクゼーションマッサージなどでは異業種からの参入で全国展開するような大手が出てきています。その影響を受けている院も少なくないはず。

つまりイオン葬儀の話は他人事ではないんです。ぼやぼやしていると、近隣には大手チェーン店が安売り攻勢を仕掛けてきて集客が困難になるなんてこともあり得ます。

新患さんはすべてマッチングサイトでしか集客できない。そしてマージンをたくさん取られ、しかも価格決定権もなく薄利多売を余儀なくされる。そんな時代がやってくるかもしれません

そんな事態になるのか、はたまたならないのか。仮になるとどうやってそれを乗り越えていくのか。今の僕には正解がわかりません。でもこれだけはわかる。「ウチの業界は特殊だから」を行動しない理由にして、なーんもせず漫然と治療院経営していれば、悪い未来が訪れる可能性がそれだけ高くなるということが。

「思い込みの中にチャンスが眠っていた」という事例はよくあることです。あなたも変な思い込みにとらわれていませんか? 治療院業界はこういうものだ!ってヤツに。

確かにそういった思いこみは、知らないうちに染みついてしまっているので、それを変えるのは大変です。でも、そこを疑ってチャレンジしていく勇気を持ってくださいね。僕自身、なかなか新しい発想が湧いてこない時もありますが、いろんな刺激に触れて柔軟な発想が生まれるよう心がけています。

ちなみに自分に刺激を与えるのは、環境を変えるのが一番手っ取り早いと僕は考えています。環境を変えて大きく飛躍したい先生は、僕の塾がおすすめ。最後にちゃっかり宣伝です。

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