「◯◯市 整体」で検索すると、ホットペッパービューティーが上のほうに出てくる。うちも掲載したほうがいいんやろか。この相談、ここ1〜2年でかなり増えました。
僕の答えは「院によって違う」です。クライアントの実績でいうと、実際に同じ媒体で月に十数人集める院もあれば、年間で1~2名しか来なかった院もあるからです。また僕のクライアントは一人治療院の先生が99%なんで、かかわっている院ではないですが、大手院などでいうと月に数十名はザラに集客しています。その差は、掲載の仕方よりも前の、院の条件でだいたい決まっています。
この記事では、その条件を5つの基準に分けて書きます。あわせて、費用と契約の現実、リピート率が落ちる理由、掲載すると決めたらやること、ホットペッパーだけに頼らない集客の作り方まで。整体院を中心に書きますが、鍼灸院や自費の整骨院でも同じ見方ができます。
先に僕の立場を書いておきます。ホットペッパーが強い媒体であることは認めています。ただ、一人院で、立地が特別よいわけでもなく、価格競争をしたくない先生なら、優先順位は低くていいと考えています。やりたくない先生はやらなくて全然OKです。それでも新規が足りないなら試す価値はある、という順番です。
整体院の集客でホットペッパーが強くなった理由
2025年の初めごろから、地域名と業態の検索(「◯◯市 整体」「◯◯市 鍼灸」など)で、ホットペッパービューティーがほぼどの地域でも3位以内に入るようになりました。地図の枠には出てきませんが、自然検索の一覧では必ずと言っていいほど見かけます。
僕は実在しない整体院のダミーのホームページを作って、検索順位を見ているんですけど、それがずっと「地域名 整体院」で1位だったのが、ホットペッパーに抜かれるようになりました。個別の院のホームページが自然検索でポータルサイトに勝つのは、難しい状況になっています。
だから「うちも」と思うのは自然です。ただ、強い媒体であることと、あなたの院に合うことは別の話なんですね。
掲載前に見る5つの基準

基準1:立地。駅から近く、通いやすいか
ポータルサイトの特徴は、一覧で一瞬に見比べられることです。ホットペッパーの一覧を見ると、「◯◯駅から徒歩◯分」が最初に目に入ります。車社会の地域ならそこまで気になりませんが、そうでない地域では、他の院より明らかに条件が悪いと、クリックして開いてもらえません。何十院も並んでいる中で、わざわざ遠い院を最初に選ぶ理由がないからです。
どんな媒体でも立地のよい院のほうが反応はよくなりますが、ポータルサイトでは特にその差が大きく出ます。
基準2:人口と競合の数。埋もれないか
同じ理由で、掲載している院の数も大事です。人口10万人の市で60院、70院と並んでいたら、埋もれます。
目安として、僕は人口の0.015%くらいまでと見ています。僕が住んでいる吹田市は人口が約38万人なので、57院を超えて掲載されていたら多いと判断します。かなりざっくりした目安なので、これだけで決めないでください。鍼灸院や接骨院のカテゴリーはまだ少ない地域が多いですが、「整体」はどこの地域も多い傾向にあるので、鍼灸院でも整体で競合の数を調べてみてください。
基準3:スタッフがいるか、一人か
ホットペッパーは初回割引ありきの媒体です。割引した初回に、通う気のない人が一定数まじります。
スタッフがいる院なら、割引をしてもスタッフの時給くらいは出るので、経営としてはマイナスになりません。とりあえず来てもらう、が成り立ちます。でも一人院だと、それが全部あなたに降りかかってきます。時間も、割引も、通わない人への対応も。それがストレスになる先生なら、やめておいたほうがいいです。
基準4:単価と、割引への許容度
割引したくない、価格競争したくない、通う気のない人を相手にしたくない。この感覚に近い先生は、ホットペッパーを使っても幸せな未来が見えにくいです。一定数はそういう患者さんが必ず来るからです。
逆に「最終的に何人かリピートして利益が残ればそれでええ」と割り切れる先生なら、選択肢になります。ここは経営の考え方の違いなので、正解はないです。
基準5:リピートを取る体制があるか
ホットペッパー経由の患者さんは、リピートしにくいと言う先生が多いです。全然問題なくリピートする、という先生もたまにいますが、だいたいはリピート率が落ちると言われます。理由は次の章で書きますが、要するに問診と説明でリピートを取れる体制がない院は、掲載しても新規が抜けていくだけになります。ここが弱いなら、先にそちらです。
| 向く院 | 向かない院 | |
|---|---|---|
| 立地 | 駅近・通いやすい | 車がないと行きにくい |
| 人口・競合 | 人口が多く、掲載院が少ない | 人口が少なく、掲載院が多い |
| 体制 | スタッフがいる | 一人院 |
| 単価 | 割引・価格競争を許容できる | 高単価で割引したくない |
| リピート | 問診・説明で取れている | 2〜3回で切れることが多い |
5つ全部そろっていなくてもいいです。でも一つもないなら、厳しいと思ってください。
費用と契約の現実
ホットペッパーは、他のポータルサイトと比べて割高です。僕のコミュニティで2023年に取ったアンケートでは、月額55,000円をかけて十数名集客できた院がある一方で、月額66,000円で1年間試してみて合計で1名しか来なかった院もありました。年間で70万円以上かけて合計1名は悲惨ですよね。うちのコミュニティはほぼ全員が一人院で高単価の先生が多いので、一般的な院より少なめの結果だとは思います。それでも、都市部で人口が多い地域は集客しやすく、美容系のメニューは単価が高くても集客できている、という傾向は見えました。
もう一つ大事なのが、1か月だけ試す、ができないことです。原則として最低半年からの契約なので、成果が出なくても半年分の掲載料はかかります。月5万円なら30万円、月6万円なら36万円が最低ラインです。
料金は地域や掲載枠で変わりますし、契約条件も変わることがあります。ここに書いた数字は僕が把握している範囲なので、実際に検討するときは営業担当に確認してください。

ペイするかどうかは、この式で考えます。
1人あたりの獲得コスト(月額÷月の新規数)が、その患者さんが払ってくれる金額(初回+その後の通院)を下回るか
月額6万円で新規5人なら、1人1万2,000円です。初回割引で3,000円しか入らないなら、初回では9,000円の赤字で、2回目以降で回収することになります。リピートが取れなければ回収できません。逆に、5人のうち2人が10回通ってくれるなら、十分ペイします。だから基準5のリピート体制が、費用対効果を左右するんですね。
ホットペッパー経由の患者さんがリピートしにくい理由
理由は2つあります。
一つは、媒体の性質です。ホットペッパーは「安く受けたい」人が見るサイトの傾向が強いので、割引が効かない2回目以降は別の院を探す、という行動に出る人が一定数います。悩みがそこまで深くなく、癒しの要素も求めている人もまじります。これは媒体の特徴なので、あなたの腕とは関係ないです。
もう一つは、来院前にこちらの考えを伝えられないことです。ホームページからの予約なら、通院が必要なこと、うちはこういう考えでやっていること、を来院前に読んでもらえます。LINEやメールで事前に送ることもできます。来院前にコンセプトを伝えておくとリピート率は上がるんですが、ホットペッパー経由だとその機会がほとんどありません。
対策は2つです。掲載ページに、通院の考え方と、どんな人に向いている院かをきっちり書くこと。そして、初回の問診と説明で、患者さん自身に「通う」と決めてもらうこと。問診でやることは治療院の問診はこの4つを意識しろに、来院後のフォローは治療院のリピート対策はこの3つを意識するに書いてあります。
それでも合わない人は来ます。無理に追わなくていいです。合わない人に合わせて院を変えるより、合う人にちゃんと通ってもらうほうが、あなたの院は強くなります。

掲載すると決めたらやること
半年契約なので、「とりあえず載せてみる」だと半年が無駄になります。やるなら計画的にやってください。
1. 自分の地域での検索順位を確かめる。 「◯◯市 整体」「◯◯市 腰痛」で検索して、ホットペッパーが1ページ目に出ているか。地域によってはエキテンのほうが強いところもあります。2ページ目以降にしか出ない地域なら、お金をかける優先度は下がります。
2. 掲載ページに、院の考え方を書く。 安さではなく、どんな悩みの人に、何をして、どう通ってもらうか。来院前の教育がここでしかできないからです。
3. 口コミを集める。 ホットペッパー内の順位と評価は、口コミの数に左右されます。施術後の満足度が高いタイミングで、お願いする流れを作っておいてください。
4. ブログ機能を使う。 掲載しているだけでは埋もれます。競合が書いていない地域なら、それだけで差がつきます。
5. クーポンは絞る。 初回、悩み別、再来の3つくらいで十分です。増やすほど患者さんは迷います。割引率は、初回で赤字になっても2回目以降で回収できる範囲に。
6. 半年後の判定基準を先に決める。 「月◯人来なければやめる」「リピート率が◯割を切ったらやめる」を、契約前に決めておきます。決めていないと、ずるずる続けます。
ホットペッパーだけに頼らない
仮にうまく集客できたとしても、ホットペッパーだけに頼るのはやめてください。理由は3つです。
いつ集客力が落ちるか分からないこと。10年ほど前はエキテンで月10人以上集めていた院がごろごろありましたが、今はそういう院はまれです。ポータルサイトが増えたことと、Googleマップの露出が増えたことで、勢いは変わります。ホットペッパーもいつまで今の順位にいるかは分かりません。
規約や料金が変わる可能性があること。自分でコントロールできない外部環境です。
そして、あなたの院にいちばん合った患者さんが集まりにくいこと。小規模の治療院が長く安定するかどうかは、自院に合った患者さんを自分で集められるかで決まります。ホットペッパー頼りだと、ここが達成しにくいです。
だから、ホットペッパーを使うにしても使わないにしても、ホームページとGoogleビジネスプロフィール(MEO)は自分で育ててください。地域名で検索したときに地図の枠に出る3院に入れるかどうかは、ホットペッパーよりずっと大きいです。やることは治療院集客に必須のMEO対策を完全網羅にまとめてあります。集客手段の全体像はもう集客で悩まない! 治療院の新規集客方法11選を見てください。
僕がもし今、整体院をやっていて新規が足りていないなら、まずチラシをまきます。即効性があるからです。それでしのぎながらホームページを作り込み、お金の余裕ができたら検索連動の広告をかけます。ホットペッパーは、それでも足りないときの選択肢です。
ホットペッパー集客でやってはいけないこと
・条件を見ずに契約する。立地が悪く、競合が多く、一人院で、割引したくない。この状態で半年契約すると、掲載料だけが出ていきます
・掲載ページに安さしか書かない。安さで来た人は、安さで去ります
・初回の問診と説明を省く。ホットペッパー経由ほど、ここで「通う」と決めてもらう必要があります
・判定基準を決めずに始める。半年後に「なんとなく続ける」になります
・ホームページとMEOをやめる。自前の集客ルートがなくなった瞬間に、外部環境に振り回されます
・1年以上の長期契約を最初から結ぶ。ポータルサイトの勢いは数年で変わります
この記事の要点
・ホットペッパーは強い媒体だが、合うかどうかは院の条件で決まる
・見る基準は5つ。立地・人口と競合(人口の0.015%が目安)・スタッフの有無・単価と割引の許容・リピート体制
・費用は他のポータルより割高で、最低半年契約。1人あたりの獲得コストと、患者さんが払う金額で計算する
・リピートしにくいのは、安さ目当ての層と、来院前に考えを伝えられないため。掲載ページと初回の問診・説明で補う
・掲載するなら、順位確認・院の考え方・口コミ・ブログ・クーポンを絞る・半年後の判定基準
・ホットペッパーだけに頼らない。ホームページとMEOは自分で育てる
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ホットペッパーで新規を増やしても、問診と説明でリピートが取れなければ、掲載料だけが出ていきます。逆に、自院に合った患者さんを自分で集めて、ちゃんと通ってもらう仕組みがあれば、ポータルサイトの勢いが変わっても影響を受けにくくなります。
その仕組みの作り方、つまり一人治療院が体を壊さずに繁盛するためにおさえるべき本質を、無料の動画セミナーで解説しています。メールアドレスの登録だけで見られますので、掲載を決める前に見ておいてください。
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この記事の数字と情報の出典
・検索順位の観察(2025年1月時点で地域名×業態の検索で3位以内)、競合数の目安(人口の0.015%)、月額と契約期間、コミュニティのアンケート結果(2023年11月時点)は、僕自身のクライアントとコミュニティから得た情報です。全国一律の数字ではありません
・ホットペッパービューティーの掲載料金・契約条件は地域と掲載枠で異なり、変更されることがあります。検討するときは、必ずリクルートの営業担当に最新の条件を確認してください
・鍼灸院でのポータルサイトの使い分けは鍼灸院の集客に書いています
