「うちのリピート率って、低いんやろか」
「整体院のリピート率の平均が知りたい」
こう思って調べても、出てくる数字がバラバラで困った先生は多いと思います。
先に答えを書きます。整体院のリピート率に、信頼できる平均値はありません。出回っている数字は出典がないうえに、そもそも「何回目のリピート」を指しているかが揃っていないからです。だから、他人の平均を探すより、自分の院の数字を3つの計算式で測るほうが早いです。目安としては、2回目のリピート率が8割・5回目までの継続率が5割。ここを下回っているなら、手を打つ余地が大きいです。
この記事では、その計算式と目安、リピート率が月商にどう効くかの逆算、そして上げる順番を書きます。数字は、僕のクライアントの実数を使っています。
整体院のリピート率に「平均」はあるのか
結論から言うと、ありません。国や業界団体が整体院のリピート率を調べた統計は、僕の知る限り存在しないです。
ネットで検索すると「整体院のリピート率は業界平均45〜50%」「高い院は80%以上、低い院は10%程度」といった数字が出てきます。でも、その出どころを書いているサイトはほぼないです。予約システムやLINEの会社が、自社の記事で「といわれています」と書いているだけなんですね。
もう一つ、数字が揃わない理由があります。「リピート率」という言葉が、人によって指すものが違うからです。
- 初回の患者さんが2回目に来た割合
- 初回の患者さんが5回目まで通った割合
- 既存の患者さんがどれくらいの間隔で来ているか
この3つは全部「リピート率」と呼ばれます。でも、数字はまったく別物です。2回目が9割の院でも、5回目まで残るのは3割ということは普通にあります。定義を揃えずに「平均45%」と言われても、自分の院と比べようがないんですね。
だから、他人の平均を追いかけるのはやめて、自分の院の数字を出してください。それが一番確かな基準になります。

整体院のリピート率の計算式は3つ
僕は、リピート率を次の3つに分けて見てもらっています。
計算式1:2回目リピート率
ある月に初めて来た患者さんのうち、2回目に来た人の割合です。
例えば、4月の新規が10人で、そのうち2回目に来たのが8人なら、2回目リピート率は80%です。
これは問診と説明の出来をそのまま映す数字です。初回の説明で「何回か通う必要がある」と納得してもらえていれば、2回目は取れます。逆に、ここが低い院は、技術より先に初回のやり取りを疑ったほうがいいです。
計算式2:5回目継続率
ある月の新規のうち、5回目まで通った人の割合です。
僕は、5〜7回目くらいまでを「短期リピート」と呼んでいます。この回数に理屈があるわけではなく、クライアントに聞くと、だいたいそのあたりで症状が落ち着いて1クールになる院が多かったからです。短期と長期の分け方は治療院のリピート対策はこの3つを意識するに書いています。
4月の新規10人のうち、5回目まで来たのが5人なら、5回目継続率は50%です。
この数字は、2回目率と分けて見てください。2回目は取れているのに5回目が低い院は、離脱が3回目か4回目で起きています。どこで落ちているかが分かると、打つ手が決まります。
計算式3:リピート頻度(来院間隔)
通院中の患者さんが、平均して何日おきに来ているかです。
こちらは既存患者さんの話です。月1回で来ていた患者さんが1か月半に1回になっても、院からは変化が見えにくいです。でも年間にすると4回減っていて、1回6,000円なら一人あたり2万4,000円が消えています。それが何十人分になると、まあまあの金額です。
測り方は、紙とペンで十分
難しい集計はいりません。月ごとに新規患者さんの名前を並べて、来院のたびに正の字を書く。それだけで、2回目率と5回目継続率は出ます。予約システムを使っているなら、来院履歴を月別に出すだけです。
最低でも「一定期間のリピート率」は出しておいてください。できれば、集客媒体別(チラシで来た人、ホットペッパーで来た人)や症状別にも出せると、どの患者さんが残りやすいかまで見えてきます。
一人整体院が目指すリピート率の目安は?
ここが一番聞かれるところです。僕がクライアントに伝えている最低ラインは、この2つです。
- 2回目リピート率:8割
- 5回目継続率:5割
2回目が8割未満、5回目が5割未満なら、やるべきことがまだ残っている状態です。技術がないからではなく、問診・説明か、患者さんの集め方に原因があることがほとんどです。
「8割なんて無理やろ」と思う先生もいると思います。でも、実際に問診と説明を学んだクライアントの数字を見ると、このラインは特別なものではないです。
- 2〜3割しかなかったリピートを8割にした整体院
- 2回目のリピートが半分くらいだったのが9割に、5回目以上通う人が1〜2割から8割になった院
- 技術を一切変えずに、30%だったリピート率が5回目までほぼ100%になった鍼灸院
- オファーをつけたチラシで集めた新規の、2回目リピート率が90%だった整体院
こういう先生は、僕のクライアントでは珍しくないです。全員がこうなるわけではないし、何もしなければ変わらないですが、技術を変えずに数字だけがここまで動く、というのは知っておいてください。
数字は「どこで落ちているか」を読む
目安と比べて一喜一憂するより大事なのが、離脱の位置を読むことです。
例えば、3回目のリピート率が82%で、4回目が39%だったとします。これは放置できない数字です。3回目までは順調で、3回目と4回目の間で半分以上が消えている。ということは、3回目の施術のあとに何かよろしくないことが起きていると推測できます。
そこまで分かれば、打つ手は絞れます。例えば、3回目の終わりに全員へ「次回以降の治療の進め方」を書いた簡単な資料を渡す。たったこれだけで何割かのリピートが改善して、年間の売上が数十万円単位で変わることもあります。
数字を出す目的は、平均と比べることではなく、自分の院の穴を見つけることです。

リピート率が月商に効く理由(逆算してみる)
リピート率がなぜこれほど大事なのか。それは、整体院の売上が次の3つの掛け算でできているからです。
売上 = 新規数 × 単価 × リピート回数
これ以外の要素は基本的にないと思ってください。
数字を入れてみます。新規が月10人、料金が1回5,000円、全員が5回通ったとします。単月で見ると、10人×5回×5,000円で25万円です。前の月からの患者さんは、ややこしくなるので無視します。
この院が売上を倍にしたいとき、多くの先生は「新規を20人にせなアカン」と考えます。たしかに20人×5回×5,000円で50万円です。でも新規を倍にするのは、集客の中で一番難しいことです。
では、3つの要素を少しずつ伸ばしたらどうなるか。新規13人、回数7回、単価6,500円にしてみます。計算すると、13×7×6,500で59万1,500円です。新規を倍にするより、こっちのほうが達成しやすいと思いませんか。

リピート回数を5回から7回に伸ばすのは、問診と説明とフォローで十分届く範囲です。単価の上げ方は整体院の客単価の相場は?調査データで見る現実と上げ方5手順に書いています。新規・単価・リピートの3つを、それぞれ2〜3割ずつ伸ばす。これが、週休2日で月商100万円に向かう一番現実的な道筋です。
リピート率が低い整体院の原因は、技術ではない
患者さんが2〜3回で来なくなると、ほとんどの先生は技術不足を疑います。もちろん技術は大事で、ここを磨くのは当たり前です。でも、技術セミナーに行ってリピートが改善した、という話は、僕の耳にはあまり入ってこないです。
原因は、たいてい次の2つのどちらかです。
原因1:問診と説明で「納得」が取れていない
患者さんは、自分のことを分かってくれている人から施術を受けたいと思っています。どこが悪くて、どうすれば良くなって、そのために何回くらい必要なのか。ここを初回で共有できていないと、「じゃあ3日後に来てね」と言われても「?」なんですね。
この部分は患者さんがリピート通院してくれない理由と治療院の問診はこの4つを意識しろに詳しく書いてあるので、この記事では繰り返しません。2回目率が8割に届いていない先生は、先にそちらを読んでください。
原因2:リピートしない人を集めている
技術も問診もちゃんとやっているのに、リピートが伸びない院もあります。そういう院で一番多いのが、集め方の問題です。
「1〜2回で治してほしい」という患者さんばかり来るからリピートが悪い、と訴える先生がけっこういます。でもそれは、そういう人を集める広告や打ち出し方をしているからなんですね。割引で集めた患者さんは、傾向としてその後のリピートが悪くなります。ホットペッパーは集客数が多くてもリピート率が低い、という特徴もあります。
新規とリピートは別々の話ではなく、つながっています。誰を集めるかで、リピート率の上限はほぼ決まります。ホットペッパーの向き不向きは整体院のホットペッパー集客は割に合う?掲載前に見る5つの基準に書きました。
整体院のリピート率を上げる順番
最後に、上げる順番です。思いついたことを片っ端からやるより、この順でやったほうが早いです。
手順1:まず測る
計算式の3つを、直近3か月分だけでいいので出してください。2回目率と5回目継続率、それから3回目・4回目の数字も出しておくと、離脱の位置が分かります。数字がないまま対策を始めると、効いたかどうかも分からないです。
手順2:問診と説明で2回目を取る
2回目率が8割未満なら、最初に手を入れるのはここです。初回の問診で、患者さんの状態と通院の見通しを共有して、納得してもらってから施術に入る。これができると、2回目率はすぐに動きます。僕が見てきた中で、一番短い期間で数字が変わる場所です。
手順3:離脱している回に手を打つ
3回目や4回目で落ちているなら、その直前で手を打ちます。さっきの「次回以降の進め方」の資料を渡すのも一つです。症状が楽になってくると、通う動機は一気に下がります。そこで「ここからは何のために通うのか」を先に伝えておくと、離脱は減らせます。
手順4:通院中の患者さんをフォローする
来なくなった人を呼び戻すより、今通っている人が離脱しないようにするほうが、労力は圧倒的に少ないです。真面目に通ってくれている患者さんも、頭の中ではいろんな不安を抱えています。LINE公式アカウントで、施術後や次回予約の前に一言送る。それだけで「ついつい」で空いてしまう間隔を詰められます。フォローの優先順位は治療院のリピート対策はこの3つを意識するに、LINEの使い方は治療院のLINE公式アカウント|登録の取り方・配信の型・プラン選びに書いています。
手順5:仕組みで補強する
ここまでやったうえで、回数券やキャンセルポリシーで通院の仕組みを固めます。順番が逆になると、納得していない患者さんに回数券を売ることになるので、うまくいきません。回数券の提案の順番は整骨院の回数券の売り方|買わされた感を残さない提案の順番と設計、無断キャンセルの線引きは治療院のキャンセルポリシーの作り方|文例3つと決める5項目を参考にしてください。
リピートは、ちょっとした意識と施策で、まだまだ伸びます。2〜3割くらいなら多くの整体院で伸ばせます。それを新規と単価にも当てはめていけば、新規を倍にしなくても売上は倍に近づきます。
この考え方を、問診・説明から集客までひととおり動画で解説したものがあります。リピート率の数字を出してみて「思ったより低かった」という先生は参考にしてください。
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この記事の要点
- 整体院のリピート率に、信頼できる平均値はない。出回る数字は出典がなく、定義も揃っていない
- 計算式は3つ。2回目リピート率/5回目継続率/リピート頻度(来院間隔)。紙と正の字で測れる
- 一人整体院の目安は、2回目8割・5回目5割。問診と説明を学んだクライアントは、技術を変えずに2〜3割から8〜9割まで動いている
- 売上は「新規×単価×リピート回数」。新規を倍にするより、3つを少しずつ伸ばすほうが達成しやすい
- リピート率が低い原因は、技術より「問診・説明の納得不足」と「リピートしない人を集めている」の2つ
- 上げる順番は、測る→問診・説明→離脱している回に手を打つ→通院中のフォロー→回数券などの仕組み
この記事で使った資料
・整体院のリピート率の「業界平均」として引用されている数字(45〜50%、80%以上/10%程度など)は、複数の予約システム・Web制作会社の記事で確認したが、いずれも調査元の記載がなかった(2026年9月26日閲覧)
・クライアントのリピート率の実数と、2回目8割・5回目5割の目安、売上の3要素の計算例:セラピストサポート発行のメルマガおよびYouTube動画「リピートと新規どっちが大事」ほか(発信者本人の記録)
