「整骨院 コンサル」で検索すると、出てくるのはコンサル会社のサイトばかりですよね。選び方を解説している記事も、書いているのはコンサル会社です。先に言っておくと、この記事を書いている僕も同じ側の人間です。治療院の集客と経営の塾を15年近く運営していて、はたから見れば治療院コンサルタントの一人です。
だから、この記事にもポジショントークが混じっている前提で読んでください。そのうえで僕の考えを書くと、一人でやっている整骨院の多くは、まだコンサルを頼む段階にはありません。先に自分でやれることが残っているからです。コンサルが要るのは、やることは分かっているのに一人だと続かない先生と、売上は出ているのに頭打ちになっている先生なんですね。
この記事では、コンサルが必要な院とまだいらない院の分け方、各社が公開している費用の目安、コンサルの言うことをそのまま信じてはいけない理由、契約前に見る5つの基準、頼んでも成果が出ない院の共通点を書きます。
整骨院にコンサルは必要か?多くの一人院にはまだ要らない
僕の塾に参加してくれる先生は、基本的にあまり繁盛していない人です。繁盛していたら、わざわざお金を払って参加しませんから。たいていは月商50万円もいかないような先生が来てくれます。
ただ、その段階の先生に、僕はいつも同じことを思うんですね。月商50万円に届いていない院が、月に何万円もコンサルに払うのは重いです。しかも、その段階の院には、お金をかけずに自分でやれることがまだ残っていることが多いんですよ。Googleビジネスプロフィールを自分で整える、リピートの仕組みを見直す、客単価を計算し直す。このあたりは、やり方さえ分かれば一人でできます。
なので、コンサルを探す前に、自分の院がどちらに入るかを先に見てください。

コンサルが要る院の3つの条件
- やることは分かっているのに、一人だと続かない。一人院は、やると決めたことを誰も見ていないので、途中でやめても誰にも気づかれません。続けさせてくれる相手が必要な先生は、外部の人を使う価値があります
- 売上は出ているのに、頭打ちになっている。月商100万円前後まで来て、そこから動かない。自分では何が止めているのか見えない。こういう先生は、外から見てもらうと早いです
- 自費への移行のように、大きく舵を切ろうとしている。間違えると痛い判断は、やったことのある人に聞いたほうが安いことが多いです
まだいらない院の3つの状態
- 自分では、まだ何もやっていない。集客も、リピートも、本を読んだりネットで調べたりしただけで、手を動かしていない。この段階でコンサルを頼んでも、言われたことをやれない可能性が高いです
- 今月の売上を、すぐに何とかしたい。正直に言うと、僕は今すぐ何とかする方法をあまり持っていません。そういうのが得意なコンサルタントもいるので、そちらを探してもらったほうがいいです。僕が大事だと考えているのは、そうなる前にどれだけ準備しておくかです
- 成功の定義や目標を、人に決めてほしい。以前、「成功の定義も含めて、全部言うとおりにしたいので教えてほしい」という先生から相談を受けて、お断りしたことがあります。何をもって成功とするかは自分で決めるものだと、僕は考えているからです。この話は治療院経営を成功させるために最初にすることに書きました
もう一つ、接骨院の先生に限った話をしておきます。保険だけで接骨院をやっていきたいので、そのためのコンサルをしてほしい、という依頼が僕のところに来たら、お断りしています。僕の知識では、それをどうやっても無理だからです。もっと優秀なコンサルタントを探してください、と伝えています。保険だけで食べていく道がもうない理由は整骨院の経営が厳しい本当の理由|2026年7月改定で保険はもう限界に書いています。
整骨院コンサルの費用相場は?各社が公開している目安
費用は、コンサル会社が自分のサイトで公開している目安をそのまま並べます。僕の塾の料金は、この記事には書きません。この記事を宣伝に使いたくないからです。
| 契約の形 | 公開されている目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 月額の顧問契約 | 月5万〜30万円 | ピュアグロース(2026年7月の記事) |
| スポット(単発の相談・研修) | 1回3万〜20万円 | 同上 |
| 成功報酬 | 成果の10〜30%程度 | 同上 |
| 会員制・塾 | 月1万〜5万円 | 同上 |
検索結果に出てくる他社の記事では、集客に特化したコンサルで月額3万〜15万円、小規模な支援会社で月10万〜30万円といった数字も見かけます。こちらは検索結果の抜粋で見た範囲なので、目安として受け取ってください。
幅が広いのは、中身が違うからです。月1回のZoomで相談に乗るだけなのか、チラシや広告の実行までやるのか、担当が一人なのか複数なのか。そこが違えば、値段が違って当たり前なんですね。だから「月いくらか」で比べるより、「何を、誰が、どこまでやってくれるのか」を先に聞いてください。
そして、安ければいいというものでもありません。僕は昔、無料でコンサルをしたことが数名あるんですが、ほぼ全員、結果が出ませんでした。無料のものは価値を感じにくくて、言われたことをやらないんですよ。これは患者さんの施術料と同じ話で、お金を払うということは、その価値を受け取る準備ができたということなんですね。
コンサルの言うことを、そのまま信じてはいけない理由
ここは僕も含めての話です。コンサルタントと名乗る人間ほどいい加減な人間はいないので、言うことを真に受けないでください。治療院のコンサルタントは特にそうです。重ねて言いますが、僕も含めてですよ。俺だけは違う、と言いたいわけではないです。
なぜいい加減になるのか。理由はだいたい3つです。
理由1:ポジショントークだから
その人が広告に強ければ「広告こそ一番だ、SNSなんていらない」と言います。それがその人の強みで、他との差別化になるからです。以前、「整体院はチラシかホットペッパーのどちらか1つだけやればいい、とコンサルタントが言っていた」という質問をもらったことがあります。その人がチラシやポータルの運用で食べているなら、そう言うのが自然なんですね。
理由2:逆張りで目立とうとするから
みんながいいと言っているものを否定すると、すごそうに見えます。「割引集客はダメだ」と言い切る人もいれば、「割引集客がマーケティングの基本だ」と言い切る人もいて、ここは真っ二つに分かれています。でも、どっちのやり方でもうまくいっている院があるんですよ。結果がそう出ているんやから、どっちも正しいというのが正しい答えです。言い切ったほうが伝わりやすいから、言い切っているだけなんですね。
理由3:単に勉強不足だから
法律をろくに調べもせずに、いいかげんなことを言う人もいます。以前、鍼灸師の先生から「コンサルタントのセミナーで『法律に触れないチラシ』を買ったが、値段と症状名が書いてある」という相談をもらいました。現物は見ていませんが、値段も症状名も書いてあるなら、あはき法の広告制限では清々しいくらいアウトです。
もう一つ、僕が印象に残っているのは「肩こりを放置すると脳梗塞になりますよ、と言えばリピートする」と教わって実践した先生の話です。全然効果がなかったと、半分キレ気味に僕に言われました。知らんがな、と思いましたが、こういう脅しの手法を僕はすすめていません。自分で納得したことでないと、人は続けて行動してくれないからです。
成功事例には生存バイアスがかかっている
コンサルの実績として出てくる「このチラシで集客できました」という事例は、たしかにその人にはうまくいったのかもしれません。でも、その陰には何倍もの失敗した人がいて、そこは表に出てきません。出てくるのは成功した事例だけです。なので、事例を丸パクリしても同じ結果になるとは限らないんですね。
ちなみに、ここまで読んで「やっぱりこの人は違う、自分でコンサルはいい加減だと言っている、信頼できる」と思ったなら、それはコンサルタントに騙される典型です。僕もポジショントークはしまくっているし、逆張りですごそうに見せることもあります。まっとうなものを提供している自負はありますが、そこは疑ってもらったままでいいです。

契約前に見る5つの基準
それでも頼むと決めた先生に向けて、契約前に確かめてほしいことを5つにまとめます。全部、初回の相談で聞けることです。

基準1:一人院の実績があるか、担当するのは誰か
スタッフを何人も雇っている院で成果を出した手法が、一人院にそのまま合うとは限りません。一人院は、あなたの体ひとつが売上の上限です。スタッフに任せる前提の施策を持ち込まれても、やる時間がないんですね。あなたと同じ規模、同じ課題の院を見た経験があるかを聞いてください。それと、相談のときに出てきた人と、契約後に担当する人が同じかどうかも確かめてください。会社によっては違うことがあります。
基準2:法律の線を知っているか
接骨院や鍼灸院の集客には、あはき法と柔道整復師法の広告制限、2025年に出た広告ガイドラインがついて回ります。初回の相談で、このあたりを一つ聞いてみてください。「大丈夫、みんなやっていますから」としか返ってこない人は避けたほうがいいです。実際、多くの院でやっていることだし、問題ないというスタンスで喧伝しているコンサルタントばかりなんですが、今の法律や厚労省のスタンスから厳密に判断すれば、問題はあります。その線を知ったうえで、どこまで攻めるかをあなたに決めさせてくれる人がまともです。広告制限の考え方は広告制限がある国家資格者(接骨院・鍼灸院)のチラシ集客にまとめています。
基準3:失敗した事例も話すか
成功事例しか出てこない人、「何千人を指導しました」と大きな数字だけを言う人、「全員うまくいきます」と言う人は、基準3で引っかかります。同じことを伝えて、同じように実践してもらっても、結果には大きく差が出ます。地域の違い、言われたとおりにやったかどうか、ノウハウそのものの質、そしてその先生自身の人柄や技術。どれも結果を左右するからです。
僕の塾でも、卒業生全員にアンケートを取ったとき、月に10万円以上売上が伸びた先生は75%で、伸びていない先生が25%いました。お金と時間を使っただけで終わった先生もいます。こういう数字を正直に出せるかどうかを見てください。
基準4:契約の縛りと、途中でやめる条件
契約期間の縛り、一括の前払い、途中解約の条件、返金の有無。ここは事前に確かめてください。僕はSEOやMEOの業者について、ほぼ詐欺みたいな契約を結ばされたという報告を腐るほど受けてきました。治療院に営業の電話をかけてくる業者で、ちゃんとした業者を僕は聞いたことがありません。コンサルも同じ目で見てください。向こうから電話で営業してくるところは、一段警戒したほうがいいです。
ちなみに僕自身は、基本的に講座などは途中で解約はできません。一般的にいうとダメな悪徳契約に近い部類になります。
理由はコンテンツを先にすべて渡してしまうことであったり、以前に月額制でいつでも解約を試したところ、予想を大きく上回る入会者が来たからです。いっぱい入会者が来ればええやんって思いそうですが、その代わり気軽に入会して数カ月で辞めてしまう人が続出したんです。その手間がめちゃくちゃ面倒だったのと、ハードルを下げると本気度の低い人が集まって、会全体の雰囲気を悪くしてしまうことにつながると判断したので、6カ月講座で入会すれば返金なしというスタンスを取っています。
基準5:「絶対」「これだけやればいい」と言わないか
なにかを教える側の人間は断言しがちです。そのほうが人気が出るからです。でも、割引の話で書いたように、やり方が正反対でもうまくいっている院は両方あります。どれが合うかは、あなたの院のコンセプトと地域と、あなた自身の性格で変わります。「絶対」「100%」「これだけやれば大丈夫」という言葉が初回の相談で出てきたら、それはあなたの院を見て言っているのではなく、売るために言っている可能性が高いです。
コンサルを頼んでも成果が出ない院の共通点
ここからは、頼む側の話です。コンサルを選ぶ目があっても、頼む側の姿勢で結果は変わります。
何年も前に、個別に院を訪問するコンサルを何件もやっていた時期がありました。あるとき同じ時期に、大阪のK市とH市で始めたんですね。二つとも、ちょっと院内が汚かったんです。治療院に関係ないものが置いてある。気になったので、まずそれを何とかしましょうと提案しました。
H市の先生はすぐにきれいにして、「次は何をしましょう」とどんどん進んでいきました。K市の先生は、何もしない。「そんなことやって意味あるの、もっとためになることを早く教えてくれ」という感じです。結局、K市の先生は途中解約でお金を返しました。H市の先生は1か月で月商100万円を超え、半年後には200万円に届きました。
掃除をしたから繁盛したわけではないです。掃除をいくらしても患者さんが押し寄せてくることはありません。ただ、そういうところに気を使えない先生は、ほかのところでもダメな部分が出てくるんですね。当たり前のことを当たり前にやる人でないと、コンサルが何を言っても積み上がらないんです。
もう一つの共通点は、丸投げです。目標も過程も人に決めてもらおうとする先生は、与えられた課題なので、うまくいかなかったときに踏ん張れません。治療院経営でなにか10の行動を起こしたら、8つか9つはたいしてうまくいかないです。世の中そんなに甘くない。自分で考えて決めたことなら、そこで粘れる可能性が高くなります。コンサルは、その考える材料と、続けるための伴走を提供する相手であって、あなたの代わりに経営してくれる人ではないんですね。
コンサルを頼む前に、自分でやっておくこと
まだいらない側に入った先生は、先に次のことをやってみてください。お金はかかりません。このブログで無料で読めます。
- Googleビジネスプロフィールを自分で半年整える。治療院のMEO対策|整体院・整骨院・鍼灸院が自分でやる8つの手順
- 集客を、お金のかからない順番で見直す。整体院の集客方法|一人院が暇から抜け出す順番と6つの基本
- ポータルサイトに払うかどうかを自分で判断する。整体院のホットペッパー集客は割に合う?掲載前に見る5つの基準
- 新規より先に、リピートを整える。治療院のリピート対策はこの3つを意識する
- 客単価を計算して、月商の逆算をする。整体院の客単価の相場は?調査データで見る現実と上げ方5手順
僕の基本的なスタンスは、SEOもMEOも自分でやる、です。できるところまでやって、それでも足りなければ広告で補う。コンサルもその延長で、自分でやれることをやり切ってから、足りないところを外から補うものだと考えてください。そのほうが、頼んだときに、言われたことの意味が分かるので、成果も出やすいです。
僕がどういう立場でこれを書いているか
最後に、僕の立場をもう一度書いておきます。便宜上、治療院コンサルタントと名乗ってはいますが、自分では講座を運営している人だと思っています。一人社長が、いかに労力をかけずにそれなりの売上を作るか。その専門家でありたいと考えています。
僕の塾は、決まった型にはめるような指導をしません。型にはめたほうが僕は楽ですが、たまたま型にはまった先生しかうまくいかないことが分かっているからです。丸投げしたい先生と、保険だけでやっていきたい接骨院の先生は、お断りしています。合わないことが分かっているのに受けても、お互いに不幸ですから。
コンサルを頼むかどうかは、この記事の基準に照らして、あなた自身で決めてください。頼まないという判断も、全然ありです。
この記事の要点
- 一人でやっている整骨院の多くは、まだコンサルを頼む段階にない。先に自分でやれることが残っている
- コンサルが要るのは「分かっているのに一人だと続かない」「数字が頭打ち」「大きく舵を切る」の3つ。「まだ何もしていない」「今月何とかしたい」「目標を人に決めてほしい」ならまだいらない
- 費用は月額5万〜30万円、スポット3万〜20万円などの公開情報がある。「月いくら」より「何を、誰が、どこまで」を先に聞く
- コンサルの言うことは、僕も含めて真に受けない。ポジショントーク、逆張り、勉強不足の3つが理由。成功事例には生存バイアスがかかっている
- 契約前に見るのは、一人院の実績と担当者、法律の線、失敗事例を話すか、契約の縛り、断言しないか、の5つ
- 頼んでも成果が出ない院は、当たり前のことをやらない院と、丸投げする院
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この記事で参照した資料
- ピュアグロース ヘルスケア事業本部「整骨院コンサルの選び方・費用相場|失敗しない7つのチェックポイント」(2026年7月16日公開・2026年10月13日に本文を確認)https://pg-healthcare.jp/media/column-guide-consul
- 他社の費用の目安は、2026年10月13日の「整骨院コンサルタント 料金」の検索結果に表示された抜粋で確認したものです。各社の本文は読んでいません
- コンサルが要る院・いらない院の分け方、5つの基準、K市とH市の話、塾の卒業生アンケートの数字は、僕の経験とクライアントの事例を整理したものです。卒業生アンケートは過去に取ったもので、現在の数字ではありません
費用の目安は各社が変更することがあります。契約するときは、その会社の最新の条件を確認してください。
